食中毒の季節だから、食中毒の病因物質と症状、原因食品をまとめてみよう
夏場は食中毒が多発する季節です。
そこで今回は食中毒についてまとめてみたいと思います。
ブログ主が食品衛生指導員をしていたのは5年以上昔の話なので、最新の情報とは言えませんが、まあ参考程度にはなると思います。
今回は細菌性食中毒に絞ってまとめます。
腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオによる食中毒の主な症状は、腹痛(上腹部激痛)・下痢・発熱・はきけ・嘔吐です。
主な原因食品は、さしみ・寿司・弁当類です。
サルモネラ菌
サルモネラ菌による食中毒の主な症状は、悪心・嘔吐・腹痛・下痢・発熱・頭痛・脱水・はきけ等です。
主な原因食品は卵製品・肉類・乳・乳製品・野菜の煮物などです。
病原大腸菌(腸管出血性大腸菌を除く)
主な症状は、下痢・発熱・頭痛・腹痛・はきけ・嘔吐です。
主な原因食品は、おにぎり・サラダ・弁当類・飲料水です。
カンピロバクター
主な症状は、下痢・発熱・嘔吐・腹痛・頭痛・筋肉痛・はきけ等です。
主な原因食品は、鶏肉・豚肉・飲料水などです。
ココまでは感染型食中毒の病因物質でした。
ここからは毒素型食中毒の病因物質を紹介します。
黄色ブドウ球菌
主な症状は、はきけ・嘔吐・下痢・腹痛です。
主な原因食品は、おにぎり・いなり寿司等の弁当類・調理パン・乳製品などです。
腸管出血性大腸菌
よくニュースになるo157(オー・157)は、この腸管出血性大腸菌に属します。
主な症状は、腹痛・下痢・血便です。
主な原因食品は、生肉・サラダ等です。
その他にも毒素型食中毒の病因物質には、ボツリヌス菌・ウェルシュ菌・セレウス菌・エルシニカ・エンテロコリチカ・ナグビブリオがあります。
つづきまして経口感染症食中毒の病因物質です。
コレラ菌
主な症状は、水様下痢・腹痛・嘔気・嘔吐・脱水・ショック症状です。
主な原因食品は、海産物(特に貝類)・飲料水などです。
赤痢菌
主な症状は、腹痛・下痢・発熱・嘔吐・時々激しい腹痛などです。
主な原因食品は、サラダ類・生野菜・乳・乳製品・家禽肉などです。
腸チフス菌
主な症状は、発熱・白血球減少・皮膚のバラ疹・脾腫です。
主な原因食品は、汚染水・貝類などです。
今回は、夏場に気をつけるべき食中毒の病因物質を中心に紹介しましたが、冬場に猛威をふるうノロウイルス(SRSV)にも注意が必要です。
気をつけるべき食品は沢山あって、「これじゃ〜何も食べられないじゃないか!!」って事になるんですが、世の中には100%安全って食品は無いんですよね。すべての食品には食中毒の病因物質が含まれています。ただし、病因物質となる細菌が少なければ危険性は減少するんです。逆に細菌が増えれば増えるだけ食中毒のリスクは高くなります。
また、個人差もあるし、その時の体調によってもリスクが高くなったり低くなったりします。
そして夏場は細菌が増殖し易い環境になる為に食中毒のリスクが高くなるんですよね。
我々一般の消費者が気をつけないといけない事は、出来るだけ新鮮な食品を購入し、新鮮なうちに消費するという事と、保存する際の温度管理、加熱調理を心掛ける事だと思います。
それから最も大切なのは、人の手を介した感染も多いという事です。私自身は手洗い消毒を小まめに行う事が最も有効な食中毒対策だと考えています。