なにが食品業界を知り尽くした男だよw浅い知識で出版するなど迷惑な話だ
ビックリするような記事を見つけた。
食品業界を知り尽くした男・河岸 宏和という人の記事なんだが、どこが食品業界を知り尽くしているのか?むしろ一般人より判っていない人のようだ。
はっきり言って、その程度の浅い知識でよくもまあ出版しようと思ったもんだと感心する。もちろん悪い意味でだ!
卵一つとっても何も判っちゃいない。
問題の記事は⇒知らないと本気でヤバい!「卵」の裏側-東洋経済オンライン
記事の内容はリンク先を読んでもらえばいいと思うが、長い記事なのに中身がないから要注意!
そもそも卵のサルモネラ菌というのは、卵の中身じゃなくて卵の殻に付着しているものです。
その理由は、サルモネラ菌は主に鶏の腸管にいるので卵自体には存在しない。
卵を産み落とした後で、糞便経由で卵の殻に付着するんです。
日本の場合は元々が生食を前提にして卵を出荷するので、出荷前に卵を洗浄・殺菌します。
殺菌には次亜塩素酸ソーダが使用されます。私が調べたところ、次亜塩素酸ソーダの濃度は150ppmです。
以前、次亜塩素酸ソーダの事をエントリした時にも補足したんですが、ppmは、パーツ・パー・ミリオンの略で100万分のいくつかを示す単位です。ですから150ppmは150/1000000の濃度になります。
次亜塩素酸ソーダは主に12%(12/100)の濃度で流通しています。6%の次亜も流通してますが、12%の次亜塩素酸ソーダが主流だと思います。
150ppmの次亜塩素酸ソーダというのは、12%次亜塩素酸ソーダ1.5リットルを水1200リットルで希釈したくらいの濃度です。
100%サルモネラ菌を死滅させるのは無理ですが、ほぼ壊滅状態になるのは間違いありません。ただし、時間の経過とともにサルモネラ菌は増殖しますから注意が必要です。
その場合も、サルモネラ菌は卵の殻に付着していますから、卵を割る時に注意すれば大丈夫です。
それでも実際に卵の生食によるサルモネラ菌の中毒は起きる事があります。その理由は卵を割った時に殻が混入したりするからです。特に卵かけご飯は注意が必要です。
ご飯に直接卵を割りいれたりしませんか?御飯茶碗で卵を割ったりしていませんか?
卵の殻にはサルモネラ菌が付着しています。出荷してから日数が経過してる場合だと、相当数のサルモネラ菌が繁殖している可能性があります。
ご飯に直接卵を割り入れる場合、細かな殻が卵と一緒にご飯に混入したりしますよ。また、御飯茶碗で卵を割るという事は、サルモネラ菌を御飯茶碗に付着させているようなものです。しかも暖かい御飯をよそった御飯茶碗は、サルモネラ菌が増殖しやすい温度になっています。
そういう場合は、サルモネラ菌に感染する事があります。
それでも我が国では、卵の生食によるサルモネラ菌の食中毒は少ないです。
これはひとえに、出荷時に卵を洗浄・殺菌するからにほかなりません。
多少食品業界を知っている人なら、この程度の知識は持っているはずです。
私の場合は元食品衛生指導員ですから、飲食店やスーパーなどの食品衛生担当者に指導をしていた経験もあり、少々踏み込んだ知識もあるだろうと思いますが、今回のエントリで書いたくらいの知識は食品業界の人間なら誰でも知っているようなレベルだと思います。
ブクマでさんざん馬鹿にされている記事を更に叩くのは心苦しく感じたのですが、余りにも浅い知識で出版なんかされたら、デマを拡散しているようなモンですから看過出来ませんでした。
こんな浅い知識の人を食品業界を知り尽くした男なんて持ち上げるなんて反社会的行為だと思ったので、とりあえずエントリしてみました。
まあ、卵のサルモネラ菌は主に殻に付着しているから、卵を割るときは注意が必要!という事だけでも伝えられたら嬉しいです。