安全なエネルギーなんて無いもの強請りだろ?

保坂展人氏のブログエントリ
http://tinyurl.com/4hserw2
を読んで、少し考えてみた。



原発に反対する人たち

原子力発電に反対する人たちは少なくない。

日本人の核アレルギーが背景にあるのも事実だが、今回のように地震津波のように自然災害に伴う事故が起きると、どうしても原発は危険な施設だと考えてしまう。

実際に私も近所に玄海原子力発電所があるので、今回の事故をキッカケに玄海原発から我が家までの直線距離を調べたりした。

玄海原発から我が家までは直線距離で約25㎞。今回の福島原発と同じ規模の事故が玄海原発で起きた場合、避難勧告を受ける事になるだろう。

ただし、地元の消防団員という事で、出動する可能性も否定出来ない。

団服は燃え難いと言われているが、放射線を遮断するようなシロモノではないし、出動=被曝と考えないといかんだろう。

近所に原子力発電所がある住民にとって、原発が脅威である事は間違いない。

勿論、雇用を含めた経済効果も無視できない要素だけど、イザ有事の際は覚悟が必要である。

原発がリスクを伴う発電方法だという事は間違いない事実だし、その点において原発に反対する人たちや保坂氏の主張は正しい。



代替エネルギーについて

しかし、原発反対派や保坂氏が原子力に変わる代替エネルギーについて語ることはない。たまに反射的に風力発電などを挙げる人がいるが、風力発電が安全ではない事は少し調べれば簡単に判る。



風力発電の脅威

風力発電こそクリーンで安全な発電方法だと主張する人がいるが、そう思うのであれば実際に調べてみるといい。ネットでも調べられるから自宅にいても調べられる。

いま一番問題視されているのが風力発電のプロペラに鳥が激突する事故(バードストライク)なのだが、実際には近隣住民に深刻な健康被害が報告されています。

風力発電の風切り音による騒音、低周波エネルギーが原因で、不眠症や頭痛、めまいなどの症状を訴える人が増えています。

個人的にはバードストライクよりも人体への影響の方が深刻だと思います。

他にも、建設用地や落雷・強風による事故の問題があるし、風力発電が今すぐに原子力発電の代替エネルギーになるとは思えない。

プロペラの構造を変えたり発電効率を高めるなどの改善を繰り返す事で、将来的には代替エネルギーになり得る可能性はあるが、現時点では話にならない。

実際には通常時も僅かながら影響があると考えられているが、基本的に原発は事故がおきたときだけ人体に影響があるとされている。風力発電は通常運転時に深刻な健康被害を撒き散らしている。

風力がクリーンで安全なエネルギーだと考えられていたのは、「風の谷のナウシカ」が公開された当時の話で、20年も昔の話である。しかも風の谷のナウシカに登場する風車は、地下水を汲み上げたり、穀物を磨り潰したりするだけのちゃちなエネルギーを得るだけで、大電力を供給できるようなシロモノではない。



水力発電

水力発電は有効な電力供給源だと思うが、ダムの建設が必要不可欠なのでこれ以上の供給量は見込めないだろう。たしか保坂氏は八ツ場ダム建設に反対していたし、原子力発電の代替案として水力発電を推す事は出来ないだろう。そもそもダムの建設に数十年の時間が必要なので今すぐに代替エネルギーとして使えるようなモンじゃない。



その他の発電方法

火力発電はCo2の問題があるし、太陽光発電はまだまだ大電力を供給出来るとは思えない。太陽光発電の場合、地方の住宅でパネル設置がすすめば、その地方の電力程度は賄えるような気がするが、都市部の大消費地の電力を支えるのは無理。

いまのところ、現在の発電をバランスよく組み合わせる方法(ベストミックス)をとらざるを得ない。

原子力はダメ!とか火力発電はダメ!って言ってる場合じゃないんですよね。



的外れな意見

原子力発電に反対する人の中には「必要な電力の70%以上は、原発以外で発電されているから原発は必要ない」と主張する人がいるが、まったく的外れな意見だと思う。

その主張から計算すると、原子力発電をやめたら約30%の電力が不足するのである。原発反対どころか「原発が必要!」と主張しているようなものだ。(原子力発電は全体の28%だったと記憶している)



エネルギーについて

より大きなエネルギーを得ようとすれば、当然リスクは高まるものだ。

そもそもエネルギー自体が危険なものである。

原子力に限らず、風力、水力、火力、太陽光など、自然界に存在するエネルギーは、すべて人類にとって脅威の対象だ。

台風や竜巻、津波、洪水、火災など巨大なエネルギーは全て人類にとって脅威。太陽に関してはもっと凄いエネルギーだ。太陽なんて超巨大な放射性物質の集合体である。

クリーンで安全なエネルギーなんて、存在しないという事を、我々は理解するべきだと思います。