北朝鮮の金総書記が亡くなったそうです
ご冥福をお祈りします。
誇り
金総書記の訃報を聞いて「バンザイ」の声をあげた人たちがいるようですが・・・
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111219/trd11121914340014-n1.htm
訃報を聞いて喜ぶような低俗な人間がいる事が情け無いと思います。
たしかに日本と北朝鮮の間には様々なトラブルや未解決の問題が山積しているんですが、それは国と国の問題であり、個人個人の感情とは別の話だと思います。
国と国の対立や組織と組織の対立があっても、それが特定の個人に対する憎悪に結びついてはイカンと思います。
日本人は、国と国の対立を個人間の憎悪に結びつけるような浅はかな民族ではないはずです。少なくとも私はそう考えていましたし、信じていたんですが・・・
一部の心無い人たちの浅はかな行為が、日本人の品格を貶めたと憤りを感じています。
日本人として恥ずべき行為をWEB上で報道してしまう産経にも呆れてしまう。
非常に残念な気持ちです。
日本人は対立する国や組織、個人に対しても、礼節を忘れない民族であり、その事が日本人・日本民族の誇りだと思うんですよね。
「綺麗事を言うな！」と感じる人もいるでしょうし、「北朝鮮に対して礼節を重んじても、日本や周辺国の安定には繋がらない。」と考えている人もいるでしょう。しかし、「相手がどういう行動にでるか」とか「どんなメリットがあるか」という事と礼節とは別問題です。礼節を重んじるという事はあくまでも己の中の問題であり、相手の行動や心情とは別の問題だと思うんですよね。
だからこそ日本人の礼節は高潔であり続けるのではないでしょうか。
独裁者
金総書記は北朝鮮の最高指導者として長い間活動していた為、日本および周辺国からは独裁者と見られていました。私も、金総書記は独裁者であった事は事実だと思っています。
しかし、北朝鮮のような小さな国が、周辺の大国（中国やロシア）に吸収されることも無く、独立を守り続けたという事実は間違いありません。
北朝鮮が独立した国家であり続けたという事は、金総書記の努力の賜物ではないかと思います。
我々日本人の立場だけを考えれば、拉致問題や資金援助・人道支援など迷惑ばかり掛けられているように感じますし、我が国の安全を脅かす可能性が非常に高い人物ではありましたが、北朝鮮の独立を守り続けたという実績は高く評価するべきであり、敵対国の指導者であったとしても、良いところは「良い」とキチンと評価し、参考にしたり見習ったりするべきでしょう。
北朝鮮を独立国家として存続させた続けたという功績以外に評価するべきところが私には思い浮かばないんですが、北朝鮮の事情に詳しい人なら「他にもこんな良いところがあるよ。」って事もあると思います。
日本人は独裁者イコール悪というイメージで考えがちですが、北朝鮮の独立を守り続ける為の手段として独裁者という立場が必要だったのであれば、私的には「有り！」だったのではないかと思います。
今後の対応
今後の対応として、まずは北朝鮮軍部の活動に注意が必要でしょう。
軍部をまとめていた人物の死ですから、この機会にクーデターを目論む勢力が動き出しても不思議じゃない。むしろクーデターを目論んでいる勢力にとっては千載一遇の大チャンスです。
国内のクーデターだけならば北朝鮮国内の問題ですが、その影響が国外に飛び火する可能性は極めて高いと考えます。韓国などでは厳戒態勢だろうし、日本でも総理が街頭演説を中止して官邸に篭っている。
また、最高指導者を失った国家（特に軍部）が暴走する危険性も高いと思っています。
さらに・・・周辺国が最高指導者を失った北朝鮮に侵攻する可能性もあります。
中国やロシアが北朝鮮の地下資源を狙って侵攻する事もあるでしょう。
特にロシアなんて・・・日ソ不可侵条約を反故にして終戦後に満州や北方領土に侵攻した経歴がある国です。マジで危険な気がします。
もともと中国やロシアには「約束を守る」という文化は存在しない、あるいは「約束なんてモンは、軍事力や威圧外交を背景にどうにでも処理できる」と考えているので油断は出来ないでしょう。
北朝鮮に侵攻し、さらに「余勢を駆って韓国、日本にも侵攻しちゃえ！」って主張しだす指導者がいても不思議じゃない。
北朝鮮の不安定は、我が国にも影響するんだよなあ〜。
他にも様々な影響を考えて準備する必要があるだろうし、官邸周辺は大騒ぎなんだろうな。たしか3月の東日本大震災の時には義援金を頂いたと記憶しているし・・・我が国からも弔問する必要もあるだろうな。受け入れてくれるか門前払いされるかは判らんが、一応訪朝して弔意を示す必要はあるだろう。
しかし・・・震災の時の義援金については、貧しいながらも義援金を送ってくれた北朝鮮と、義援金として集めた金を竹島不当占拠に使っちゃった韓国政府。この一件だけをクローズアップすれば、韓国政府より北朝鮮の方が遥かに人道的だったように思う。
とにかく、礼節を重んじる誇り高き日本人としては、訪朝して弔意を表す必要がある。また北朝鮮が受け入れ易いように訪朝団の人選にも注意が必要だ。
何事も無く、無事に権力の移行が進む事が望ましいが、様々な可能性を考慮して不測の事態にも対応出来るように準備する必要があるだろう。野田内閣にとっては試金石となる出来事のように感じます。
