集団的自衛権に対する個人的な感想

政府が集団的自衛権行使を閣議決定した事で様々な意見が飛び交っています。

個人的には集団的自衛権の行使には賛同しかねるんですよね。

私自身は、集団的自衛権の行使によって、日本が戦争が出来る国になるとは思ってません。敵が攻めてきたら戦争するしか独立を守る事は出来ないんだし、自衛権自体は認めてるんだから、現在の日本でも戦争は出来るんです。

日本は条件さえ揃えば戦争が出来る国なんですよね。

集団的自衛権の行使は、戦争が出来る条件が増えただけに過ぎません。


抗議活動をしている人たちの「日本を戦争が出来る国にするな!」って主張は、根本的な部分から間違ってます。

その事は最初に指摘しておいて本題に入ります。


集団的自衛権による戦争の抑止力など期待出来ない

政府は集団的自衛権の行使を認める事で、他国からの侵略に対する抑止力を期待してるようですが、それは的外れな期待でしょう。

そんな口約束程度のモンで、戦争が回避出来るとは思えません。


例えば現在休戦中の韓国と北朝鮮ですが、北朝鮮の幹部が「日本が集団的自衛権の行使を認めたから、韓国に侵攻するのは無理だ。」なんて考えるとは思えません。戦争なんて国家間の喧嘩です。喧嘩なんてモンは些細なキッカケで感情的になって始まるモンです。

「そういう衝動的な行動を、集団的自衛権ごときで回避出来る訳ないじゃないか」という印象です。まあ、日本が米軍クラスの軍事力を持っていれば、多少の抑止力になるんでしょうけど、現在の武力じゃ抑止力は期待出来ません。


私が考える最強の抑止力とは

個人的には、同盟関係や利害関係などは抑止力になりえないばかりか、余計な足かせが増えるだけだと考えています。

最強の抑止力とは、漁夫の利をねらう第三者の存在です。

例えば、A国とB国は共に戦闘力が100だと仮定します。

C国はA国・B国ほどの軍事力は持ってないけど、60〜70程度の軍事力は持っています。

A国とB国の関係が悪化して喜ぶのはC国です。

C国は、A国にもB国にも太刀打ち出来ませんが、A国とB国が戦争を始めてお互いに消耗すれば、C国はA・B両国をまとめてやっつける事が出来るようになるからです。


そういうC国の存在が、A国とB国の戦争に対する最強の抑止力です。

「相手国がムカつくから、武力行使してやろう。」と思っても、お互いに消耗したところでC国にまとめてやられちゃったら最悪です。そんな状況で戦争に踏み切る馬鹿はいませんよね。


間違って戦争になったとしても、漁夫の利を狙うC国の存在を考えて、消耗戦になる前に和解した方がA国にとってもB国にとってもメリットが大きい。

本来、抑止力ってそういうモンです。


集団的自衛権の行使を認めたぐらいで抑止力になるなんて、ポッポ鳩山氏くらいのお花畑理論です。


日本がC国の立場になるのは現実的じゃないし、コストが掛かりすぎて馬鹿馬鹿しいけどね。


本音

世界の警察であり続けようとしている米国でさえ、出来るだけ軍事費を削減したいのが本音なんだし、米国の負担削減に協力するという意味では間違った方針だとは思わないけど、「他人の喧嘩に巻き込まれて怪我をするのはマッピラだ。」というのが、個人的な本音なんですよね。