何を作っているのでしょうか?文章だけで伝わるのか??

長いプールの中に、マイナス30度以下まで冷やされた冷媒と呼ばれる液体が満たされている。


冷媒(塩化カルシウム水溶液)

満たされているが冷媒自体は留まっている訳ではない。

冷媒と呼ばれる液体は、絶えず循環しているのだ。

プールから流れ出た冷媒は、ある冷却装置によって冷やされて、またプールに戻ってくる。


冷媒の正体は、塩化カルシウムを溶かした水である。塩化カルシウム水溶液とも言う。

塩化カルシウム水溶液の凝固点は濃度によって変化するが、マイナス50度以下まで凝固点を降下させることが出来る。


モールド

モールドと呼ばれるステンレス製の容器が、冷媒を満たしたプールの中で少しずつ移動している。

モールドとは金型の事だ。金属成型や樹脂成型に使用される金型が一般的だが、ここで使用されているモールドは、製氷皿を深くしたようなものである。

マイナス30度前後の冷媒の中を、無数のモールドが少しずつ移動しているのだ。


充填

モールドが移動している上流部では、ミックスとよばれる液体がモールドに充填されている。

ミックスはモールドに接している部分から徐々に硬化していく。凍っていくのである。

モールドに接している部分が凍りだすと、今度は凍っていない中心部にステンレス製のストロー状の管を刺し、凍っていないミックスを吸い上げる。

すると氷の中にぽっかりと穴状の隙間が出来る。その隙間に違う種類のミックスが充填される。

どうやらこの氷状の製品は二層構造になっているようだ。


問題1

ところどころに専門用語が入っているので何を作っているのか判る人もいると思う。

さあ、何を作っているのでしょうか?

ココまでの工程で作っている製品がなんなのか判った人は、おそらくこの製品作りに携わった事のある人だけだろう。


木製のスティック

ミックスが完全に凝固する前の段階で、木製のスティックが製品の中心部に刺される。スティックインサーターと呼ばれる機械が、木製のスティックを差し込んでいるのだ。

スティックインサーターはスティックを一本一本刺していく。

スティックを刺されたミックスは、その後も硬化を続けて完全に凍ってしまう。


熱湯

プールの下流域では、モールドが徐々に上昇しプールから出てくる。

マイナス30度以下の冷たいプールから空中に出てくるのだ。

そこでモールドの外側に熱湯が掛けられる。

木製のスティックを掴んで、凍ったミックスをモールドから引き抜く作業が行われる。

モールドに熱湯を掛けるのは、引き抜きやすくするためだったのだ。

ココまで来れば、製品がなんなのか誰でも判る状態になる。


包装

引き抜かれた製品は、包装機で包装されて製品として完成形になる。

後は箱詰めされて、大きな冷凍庫で出荷を待つばかりになる。


最終問題

一体、この製品はなんだったのでしょうか?

ちゃんと伝わっていればいいが、これで伝わらなかったら私の文章力には大きな欠点があると思わざるを得ない。