食の安全 食品照射とX線検査機について
食品の安全について続けてエントリしたから、今回も食品の安全についての話です。
食品工場の製造ラインには、異物が混入してないか確認する為に異物検出機という機械が設置してあります。
主に金属を検知する金属検出器と金属以外の硬質異物(石やガラス片など)も検出出来るX線検査機が使用されています。
X線検査機の導入
ここで「おや?X線」と思った人は、食の安全に敏感な人でしょうね。
ご存知の通りX線は放射線の一種です。放射線を食品に照射するなんて知ってましたか?
実は放射線照射で殺菌なども可能なんですが、日本ではまだ放射線照射による殺菌は認められていないようです。
唯一ジャガイモの発芽防止として食品照射(放射線照射)認められています。
ジャガイモに放射線を照射する事で、糖度が増したり消化が良くなるというメリットがあるんですが、日本人は放射能に対して極めて否定的です。安全性が確認されているにも関わらず、食品照射(放射線照射)には心理的に拒否反応を起こすようです。
消費者団体からの圧力で、ジャガイモ以外の食品への食品照射は認められていませんし、今後も簡単には認められないでしょう。
ところが加工食品の場合、X線検査機で硬質異物検査を行っている企業は多い。というか、かなりの割合でX線検査機が導入されています。
もちろん安全性が確認された検査ですから、人体に悪影響を及ぼす心配はありません。
しかし、放射線にネガティブな印象を持つ日本人は少なくありません。よって「この食品はX線検査機で異物検査を行った食品です。」という事が表記されている事はありません。
本来ならば、キチンと表示して情報公開するべきだと思います。
人体に悪影響が無い程度のものだから表示しないというのは消費者に対してフェアじゃないと思います。
おそらく流通してる加工食品で、X線検査機を通過してない食品は殆どないでしょう。
放射能に対して必要以上に神経質な人たちを放射脳と言ったりしますが、その人たちがデマや風評被害を撒き散らしている現状を見ると、「我が社では出荷前の商品をX線検査機で異物検査を行っております。」とは、なかなか言い出し難いと思います。
それでもキチンと情報公開して、誤った情報や誤解に対しては、真摯に根気強く説明して理解してもらう義務があるんじゃないかと思っています。
X線検査機の放射線を気にしだすと、病院でレントゲン検査なんてもっての他だし、下手をすれば自然被曝を恐れて外出すら出来なくなるんですが、「日本人の放射能アレルギーは根が深いからなかなか理解して貰えないだろうな」と思っています。それでも情報公開は必要でしょう。
エンドユーザーにも正しく理解してもらって、安全安心な食生活を送ってもらうのが食品会社の責任だと思っています。
消費者に正しい知識を持ってもらうことが、食品照射(放射線照射)の可能性を拡げ、食品会社の利益に繋がると思うんですよね。