企業の将来を予測することが出来る調査結果です

少し考えさせられるニュースです。

非正規労働者を無期雇用の企業が4割


パート従業員の私は、「正社員になりたくないんですか?」って聞かれて「俺みたいなオッサンを正社員にするより、若い人たちを正社員にした方が会社にとっても有益なんじゃないかな。」って答えた事があります。


そりゃまあ〜非正規雇用のパート従業員より正社員の方が待遇も良いだろうし、なにより生活が安定するよね。


正規雇用のままでいいや!って変わり者は私くらいのモンだろう。大半の非正規雇用労働者は正社員になりたいと考えてるはずです。

私だって非正規雇用より正社員の方が良いですよ。ただし会社にとって何が有益かを考えたら、「オッサンを正社員にするより若い人を正社員にして、責任を持って育てた方が会社の為には良い!」と思うから、上記の台詞が出た訳です。

勘違いして欲しくないのは、自己犠牲の精神等ではなく純粋に会社にとっての利益を優先してるって事です。元経営者なのでどうしても自分のことより会社全体の事を考えてしまいます。元経営者の悲しい性です。


今回の厚労省の調査では、非正規労働者が5年以上働けば無期雇用に転換する方向で考えてる企業が4割もあるんですね。正直驚きました。

この法案が可決されれば、大半の企業が5年未満で雇い止めにする方向で考えるだろうなって思ってただけに、まさに正反対の途中経過です。


会社選びについて

この調査結果を信じるならば、企業が今後の日本経済をどのように予測してるのかが判ります。

労働力の需要と供給で考えると判り易いです。好況の時には労働力が不足傾向になります。逆に不況の時には労働力が余っちゃうんです。ですから企業は、不況の時には非正規雇用を増やし、好況の時には正規社員を増やして労働力の囲い込みを図ります。長い不況の末、好況を想定して労働力の囲い込みを図るような戦略は失われたと思っていましたが、まだまだ生き残っていたようです。

正規雇用を無期雇用に転換すると考えてる企業は、4〜5年後には労働力が不足すると考えているんです。だから労働力の囲い込みを検討してる段階で、将来について明るい材料を持っていると考えられます。こういう会社は将来業績が伸びることは間違いないし、株価も上昇するでしょうね。

働くならこの手の会社で働いたほうがやりがいもあるし、賃金だって良くなるでしょう。仕事を選ぶときには無期雇用に転換する企業を選ぶべきです。現在の会社の規模や業績は無視しても構わないと思います。


逆に、雇い止めを考えてる企業ってのは、将来に明るい材料が無く、今後の業績も横ばいかそれ以下だと考えている企業です。恐らく徐々に業績が悪化して4〜5年後には正社員ですら何時リストラされるか判らない状態に陥る可能性があります。これから就職する人や再就職する人は、雇い止めを考えてる企業は敬遠したほうが無難でしょうね。どんなに会社の規模が大きくて、今のところ業績がまずまずだったとしても、徐々に業績が悪化する可能性は高いです。


既に働いている人は、勤めている会社が雇い止め囲い込みのどちらを選択するか注意深く観察しましょう。囲い込みを選択する会社なら喜んで囲い込まれましょう。もし雇い止めを考えてるようなら早い段階で自分から見切りをつける勇気も必要だと思います。

無期雇用転換を検討してる企業が4割で、雇い止めが1割なので、残りの5割は?って話になるんですが、残りの5割は4〜5年後のビジョンをもてない企業であり、労働者にとって安心出来る企業とは言えないでしょうね。


アベノミクス効果

それでも4割が将来の見通しは明るいと考えているんですから、今後日本の経済は上昇傾向になるでしょう。景気が良くても潰れる企業は潰れるし、現時点で1割の雇い止めを検討してる企業の大半は潰れちゃうんじゃないかな。

残りの5割も厳しいでしょうね。

ただし、将来の展望が明るい4割の企業が経済を引っ張りますから、我々労働者にとっては朗報です。5年を待たずに労働力が不足します。労働力の需要が高まり、供給不足に陥れば否応無く賃金は上昇するでしょう。


1割の雇い止め企業や5割の不透明な企業の中からも生き残る企業があります。ただし労働力の囲い込みで後手を踏んでる為に、経済の上昇に伴うような業績の好転は望めないでしょうね。


明るい材料を持ってる企業が4割もあるんだから、日本の経済は間違いなく好転します。アベノミクス効果と言えるんじゃないでしょうか。