お金を貯める方法

お金を貯める方法

どんなタイミングだったのか忘れてしまったが、ある人に「お金の貯め方を知っているか?」と聞かれたことがある。

若いのに浪費家だった私を心配して、私にお金の貯め方を教えようしてくれたんだろう。

浪費家で、年中金欠病の私が「知らん。教えて!!」と言ったら、その人は「金を使わんこっちゃ。」と、誰でも知っているような当たり前の答えを返してくれた。

当時は、「なんやこの人?そんなもん他人に言われんでもわかっとるわい。」と思ったものだ。

当時の私は二十歳そこそこの若造だったし、「なんや〜聞いて損した。」と思った。



当たり前の事を当たり前に実行することの難しさ

アレから20年以上の月日が流れ、40歳を越えた今なら、あの言葉の深さが良く判る。

質素倹約に努め、極力お金を使わない生活をすれば、ある程度の収入がある人ならば簡単にお金は貯められるのである。

手取り15万のサラリーマンでも、家賃を5万円以下に抑え、水道光熱費と食費を5万以内に抑えれば、毎月5万円ずつ貯金出来るのである。

毎月5万なら一年間で60万円。2年で120万円貯める事が出来る。

月収15万のサラリーマンが、たった2年で120万円貯めたら、それなりに評価してもらえると思うし、ちょっとした小金持ち気分も味わえるだろう。

「なんだ簡単だな」と思う人も多いだろう。

ところが、5万円以下の家賃で食費・水道光熱費などの生活費を5万円で抑える生活は、1ヶ月や2ヶ月ならば多くの人が実践できるが、半年から1年間という事になれば、かなり意志の強い人じゃないと継続できない。

2年間続けるとしたら、超人的忍耐力が必要である。

独身者が生活するだけなら何とかなりそうだが、現実には飲み会のお誘いもあるだろうし、彼女が出来てデート代が必要になる事もあるだろう。友達の結婚式や親戚の不幸など、予期せぬ出費も一度や二度ではすまないと思う。

「金を貯めたきゃ、金を使うな」と口で言うのは簡単だが、実践する事は非常に難しいのである。

もちろん、この私も未だに実践出来ていない。

当たり前の事を当たり前に実行するのは、実は非常に難しい事なのである。

サラリーマンなら実践する価値はあると思うが、ホントに困難ですから8割以上の人は途中で挫折すると思います。



金を使わなきゃ、金は入ってこない

サラリーマンを辞めて経営者になった時、ある人に「金を使わなきゃ、金は入ってこんぞ!」と言われたことがある。

「サラリーマン時代に聞いた言葉の反対だなあ〜」と感じたが、実は全く違う意味だった。

サラリーマンはちゃんと会社に出勤してキチンと働けば、毎月キチンと給料がもらえる。

要するに、金を貯めようと思えば、出費に気をつけてさえいれば、お金を貯められるのである。しつこいようだが実践するのは非常に困難である。

ところが、経営者として事業を始めると、まず収入の事を考えないといけない。売上げを考えないといけないのだ。

そして売上げの中から、買掛金の支払いをして、残った純利益の中から従業員の賃金を支払ったり、光熱費その他の必要経費を支払わなければならない。必要経費は極力節約できても、人件費の場合簡単に節約する事は出来ない。なにを節約しようかと考えると、一番簡単に節約出来るのが接待交際費だった。

しかし、経営者の交際費というモノは簡単に節約できるようなシロモノではなかった。

サラリーマン時代は、金が無けりゃ〜イロイロと理由をつけて飲み会を断ることも出来たが、お得意様主催の飲み会などは断れないのである。

交際が細くなれば、商売の繋がりも細くなるもので、簡単に売上げを落とす事になる。

サラリーマン上がりの私が、サラリーマン時代の感覚で簡単に断っていたお付き合いが、最終的には自分自身の首を絞める事になった。

サラリーマン時代と違い、経営者になったら「金を使わないと金は入ってこない」のである。

ただし、ここでいう「金を使う」は、浪費とは違うのである。

ココで出費する事によって、めぐり巡って自分のところに返ってくる使い方。活きた金の使い方をしないといけないのである。

ギャンブルですったり、必要ないものを衝動買いしたり、その手の出費は浪費であり死に金なのである。



立場によって使い分ける

お金の使い方は、自分自身の立場や環境によって生き死にが違ってくるのでケースバイケースで対応するしかないのだが、金を貯めるコツは「死に金を使わない」という事だろう。

消費する時に「この金は生きた金か、それとも死に金か?」という事を、常に自問自答しながら使うようにするとお金という奴は簡単に貯まる物なのかも知れない。

しかし、しつこいようだが(本当にしつこい)口で言うのは簡単だし、文章にするのも簡単だけど・・・実践するのは非常に難しいのである。


これまたしつこいようだが・・・
実際、私は未だに実践できていないのである。