社民党はピンチじゃないのか?危機感が希薄すぎると思うぞ

少数派の意見だって重要だ

民主主義はぶっちゃけ多数決主義だと思うのだが、私は個人的に少数派の意見だって重要だと考えている。

昔は自民党が多数派の意見を反映していたし、今は民主党が多数派の意見を反映している。おそらく二大政党制が続く限り、自民党民主党が多数派の意見を反映させる政党で、常にこの二大政党を中心にして日本の政治は行われる。



社民党共産党などの少数政党の役割りは、多数決主義に埋もれてしまいかねない少数派の意見を取り上げ、国会でアウトプットする事だと思うのだ。



時々「なんじゃそりゃ〜!」って叫びそうになるようなハチャメチャな発言をしてきた福島みずほさんだって、「そういう意見を持った人もいるんだよ」と思えば、少数意見をアウトプットする数少ない重要な人物だと思っていた。



何でもかんでも多数決主義では、息が詰まるし、そもそも衆愚政治の暴走を許しかねない。

ポピュリズムは一歩間違うと、権力の暴走に繋がるんだから、それを厳しい目で監視する少数派の野党が必要なのだ。



自民党に野党としての責任は果せない

私は、自民党という政党には、権力の暴走を監視する野党としての責任を果せないと考えている。



結党以来、長い間多数派の勢力にいて、過去に下野した時も、衆院第一党として最強野党として君臨していた。

数の力こそが自民党の力であり、それは民主党も同じである。

そんなお坊ちゃま政党に、大多数を相手に少数で戦い抜く力など持ち合わせていないだろう。



権力を監視する正しい野党の姿とは、多くの人に馬鹿にされようが、非難されようが、少数で多数に立ち向かう気概が必要だし、その姿勢こそが野党の本分だと思う。

残念ながら、自民党にはその力は無いよ。過去に下野した時だって、細川内閣の263日と羽田内閣の64日。合計しても327日間しかないのだ。

その後は、自民・社会・さきがけの連立与党として、政治の中心に返り咲いている。

野党としてのノウハウもスキルも持ち合わせていないのだ。



社民党共産党

その点、社民党共産党は、長い間野党を経験し、権力の暴走を監視すると言う野党の本分に徹してきた。

野党としての活動こそが、社民党共産党の存在価値であり、本分ではないだろうか。



共産党は、昔から共産党の立場を良く理解して、野党の本分に忠実だ。

常に権力から距離を置き、権力を監視し続けている。



ところが、社民党は権力に吸収されてしまいそうな感じだ。

福島党首は国務大臣になって、往年の輝きを失いつつある。

非難されようが、馬鹿にされようが、少数派の意見を反映させるために、多少ハチャメチャでもとにかく発言し、少数派の意見をアウトプットし続けた。



ところが、最近は非常に大人しいし、発言回数も減った。

国務大臣だから、ハチャメチャな意見は言えないんだろうが、それでは今まで支持してくれた少数派の人たちはどうするんだ。



辻元清美議員も、国交副大臣に就任したが、目立った活動は伝わってこない。

個人的には好きになれない人物だが、少数派の意見をアウトプットする数少ない議員である事は間違いない。

私にとっては、本当に嫌いな人物だが彼女には彼女のスタンスがあり、またその姿勢を支持する人がいたからこそ、国会議員なのである。



今回は、とうとう保坂氏まで総務省の顧問を引き受けてしまった。

私は以前から保坂氏のブログを良く見ていたし、なかなかいい記事だと評価する記事も多かった。酷い勘違い記事も多いのだが、時々本当に良いエントリがあるんですよ。



しかし、総務省の顧問なんて引き受けちゃうと、政府批判など出来ないんですよ。

彼は、自民党批判が得意分野なんだけど、一野党の批判なんかしても誰も喜ばないし、誰にもアピール出来ませんよ。

政権与党を攻撃するからこそ、反体制の支持を集めるのだ。

総務省の顧問就任は、彼の牙と爪を政権与党に預ける事と同意である。

党首が閣僚入りしてるので、露骨に批判する訳にはイカンでしょうが、牙と爪は研ぎ続けるべきだったんじゃないかと思う。

議員に復活するためには、効果的にアピールを続けなきゃならんと思うのだ。

バッジに拘りが無いのなら、顧問就任もやぶさかでは無いのだろうけど、野党なんぞ批判していても票には結びつかんと思う。



総選挙の結果

夏の衆院選は、自民VS民主という対立軸を作り出し、国民の関心を集める事に成功した民主党が圧勝したが、その影で社民・共産などの少数政党が大きく票を失った。

自民党が大きく議席を減らしたが、その分以上に民主党が議員数を増やした。

しかし、これは多数派の票が多数派に移動しただけだ。多数決主義のトップが変わっただけで、少数派の意見を反映する体制に移行した訳じゃ無い。



このまま、社民党民主党に飼い殺しにされちゃったら、少数意見は永遠に埋れてしまうのではないだろうか。

私が心配する事じゃないんだろうけど、このまま飼い殺しにされて、少数意見のアウトプットという社民党の存在価値が無くなってしまえば、民主党に吸収されてしまうんじゃないかと思う。



私には社民党の心配しなきゃいけないような義理はないので、民主党に吸収されようが構わないんだけどね。

少数意見のアウトプットは、確かな野党・共産党があるし、今後も少数意見を反映させる事は不可能じゃないからね。