日本郵政の社長交代劇にみる新政府の力量
日本郵政の西川社長が辞任を表明
日本郵政の西川社長が辞任を表明しました。
私は個人的に、西川社長の手腕は評価していた。
「かんぽの宿」売却問題で非難を浴びたが、赤字を垂れ流す組織を叩き売って、採算部門だけで再出発しなければ、黒字にする事など不可能だっただろう。
不透明な取引があったのだろう事は充分承知しているし、踏むべき手順を踏まなかった事は非難されて当然だ。
しかし、判断が間違いで無かった事は、郵政4事業が全て黒字になった事が証明している。
マスコミは、不透明な取引をクローズアップして非難したが、それならマスコミの連中に郵政事業を黒字にする事が出来ただろうか。
少なくとも、日本のマスコミの経営陣に、西川氏の能力の三分の一でも備わっているならば、日本のマスコミは経営不振には陥らなかっただろう。
所詮は、一企業を経営難に陥らせてしまう無能な連中である。
無能な私に無能呼ばわりされたんじゃ、マスコミの経営陣も腹が立つだろうが、比較しているのは私とマスコミ経営陣じゃないからね。
私が比較しているのは、軒並み経営不振に陥っているマスコミの経営陣と、郵政事業を四分割して、その全てを黒字にした西川氏だから間違えないでね。
悔しかったら、自分とこの新聞を黒字企業にするなり、テレビやラジオは電波利用料を適正価格負担して、なおかつ黒字企業にしてくれ。
不満や能書きは赤字体質から脱却したら聞いてもいいよ。
郵政事業を四分割して、その全てを黒字にした西川氏の手腕は疑う余地がないのだ。
日本郵政の経営陣
西川氏の能力や手腕は認めるが、西川氏の社長続投を支持している訳ではない。
私は、西川氏は早急に辞任するか、日本郵政の指名委員会のメンバーを刷新する必要があると考えていた。
財界人で構成された指名委員会は悪いと思わないが、5人の委員のなかに、西川善文・日本郵政取締役兼代表執行役社長と高木祥吉・日本郵政取締役兼代表執行役副社長の二名がいる事を問題視していた。
この委員会だと、西川氏と高木氏の意見が強引に通せるとは思わないが、たった一人説得するだけで簡単に意見が通ってしまう。
事実上のワンマン経営だと言えるのではないか?と思うのだ。
ワンマン経営だったからこそ、短期間で郵政事業を黒字に出来たのだが、やはり不透明な人事や取引が目立ってしまう。
日本郵政は民営化したといっても100%政府の持ち株会社なのだから、不透明な人事や取引は容認出来ないのだ。
よって今回、遅ればせながら西川社長が辞任した事は、良い傾向だと考えます。
後任人事について
しかし、後任人事については全く評価出来ない。
新政府は脱官僚という目的を持って誕生したはずだし、そこを支持した有権者も多かったと思う。
なぜ、後任が東京金融取引所社長の斎藤次郎元大蔵次官なのだ?
官僚OBを政府の100%持ち株会社である日本郵政の社長に抜擢するという事は、渡りと罵られても当然だと思うのだ。
この後任人事は、不透明極まりないと思う。
しかも、脱官僚どころか官僚OBに丸投げした感がある。
脱官僚を標榜するのであれば、元官僚をトップに据えるべきではない。