国民やメディアの関心を集めるには、一騎打ちが望ましい
自民党の総裁選が終わって、党役員人事も終わったので、少し選挙の事にも触れたいと思います。
私の個人的な感想ですから、そのつもりで読んでください。
自民党は選挙が下手
自民党の総裁選が盛り上がらなかった理由について考えてみた。
野党の総裁選だから盛り上がらなかったというのは、今ひとつ説得力に欠ける。
今までの総裁選に比べると、確かに盛り上がらなかったし、野党の総裁選など興味がない人が多いのかも知れませんが、それならば何故、民主党の代表選は盛り上がったのだろう。
西松疑惑から最終的には小沢代表が辞任して、鳩山VS岡田で代表を争ったが、民主党の代表選は、野党の代表選なのに盛り上がっていたと思う。
今年の民主党代表選と自民党総裁選の盛り上がりには、大きな差が在ったと考えているのは私だけではないはずだ。
やはり、自民党は選挙が下手なのだ。
民主党の場合
民主党の代表選が盛り上がった理由は、鳩山VS岡田という一騎打ちだった事が大きな理由のように感じる。
自民党の場合は、実質一騎打ちの様相だったが、3人の候補者の間で行われた。
得票が過半数に届かなかった場合には、上位二名で決選投票が行われるのに、最初からメディアが大きく取り上げる必要が無いのである。
決選投票になれば、メディアの露出が増え、党勢の回復も見込めたのに、最悪の総裁選になってしまったという印象がある。
民主党は、4年前の選挙時には「選挙が下手だなあ」と感じていたが、その敗戦をいろんな方面から反省して、選挙のやり方を学んだのだろう。
そして、自民VS民主という対立軸を演出し、衆院選の前に代表選を行う事で、メディアの露出を増やした。
代表選も、メディアが取り上げてくれるよう、一騎打ちの選挙を行った。
「なんだ、そんな事が選挙に影響するのか」と考える人も多いだろうが、私は大いに影響すると考えている。
勝ち負けが明確になるし、ジャーナリスト達も予想し易い。
メディアも、対立軸で政治を評価出来るから簡単に番組を構成出来る。
国民の関心も、一騎打ちのほうが高くなる。
日本人は一騎打ちが好き
日本人は、一騎打ちが大好きな国民である。
敵か味方かという YES or NO の争いが好きなのだ。
理由は簡単で、複雑に考えるより、単純な判断を好むのだろう。
その日本人の心理を、上手に活用したのが小泉元首相であり、今回の民主党・小沢氏なのではないだろうか。
小泉元首相は、党内に反対勢力を作り、小泉新自由主義VS反対勢力という対立軸を演出して、メディアの注目を集める事に成功した。
郵政選挙は、郵政民営化を推進する小泉軍団と郵政民営化に反対する反対勢力の争いに注目が集まり、民主党は出る幕がなかった。
小沢氏は、自民VS民主という対立軸を演出し、まんまと政権交代を成し遂げた。
タイミングを見計らって代表を辞任し、絶好のタイミングで代表選を行った。
もちろん一騎打ちの代表選であった。
メディアの注目度
メディアの注目は民主党の代表選に集中し、新代表の注目度も増した。
敗因を分析して、見事にリベンジを果たしたといえるだろう。
自民党はと言うと、衆院選の敗北を政府と党執行部に押し付けて、敗因の分析や選挙の動向を分析をしなかった。
本来なら、総裁選で一騎打ちを演出すれば、多少党勢が回復したんじゃないかと思うし、谷垣氏が過半数を獲得しなければ、決選投票になり注目度がアップした事は間違いない。
国民やメディアの関心
国民やメディアの関心を集めるには、一騎打ちが望ましいのである。
この事を理解しない限り、自民党の党勢は回復しないし、選挙に負け続ける事になるのではないかと考える。
ただし、自民党と言う対立軸がなくなると、民主党も選挙が難しくなり、少数政党に躍進を許す事になりかねないので、自民党がこのまま失速してしまう事は避けたいところだろう。
我々一般庶民は、何処の誰が政権を握っていても、ちゃんと政治を行ってくれれば文句は無いのである。