「Naverまとめ なぜ「生類憐れみの令」は誤解されているのか」が卑劣な歪曲である事を証明する

ちょっと気になったので自分の考えをまとめてみようと思った。

キッカケは、昨日ブクマした⇒なぜ「生類憐れみの令」は誤解されているのか


卑劣な印象操作について

このまとめは酷い!それ以外の言葉が見つからない。

彦根の歴史ブログ(『どんつき瓦版』記者ブログ)というブログの1月20日『生類憐みの令』廃止というエントリから3項目に分けて紹介している。

リンクを辿って確認した人ならスグに判るトリックだが、多くのユーザーはリンク先までは見ないと言う事を前提とした印象操作に他ならない。余りに稚拙だが騙される人は多いだろう。


またPHP Biz Online 衆知の綱吉はバカ殿? 歴史の通説は実はウソだらけ!/井沢元彦では、当の井沢元彦氏は将軍綱吉がバカ殿ではなかったという可能性を指摘していますが、肝心の生類哀れみの令については

 しかし、実はその法律の陰に隠れているのは、生命の尊重、という基本思想でした。そして、蚊1匹殺しても下手をすると遠島になるというような、そういうむちゃくちゃな法律を施行したことによって、日本人の意識は劇的に変わっていったのです。

と書いており、生類哀れみの令は悪法だけれども、生命の尊重を徹底するための方便だったと弁護しているに過ぎません。


さらに、変わる教科書の徳川綱吉と生類憐れみの令の評価 名君と動物愛護については、単なる個人のBlogであって、歴史の通説を覆すような証拠とはいえません。
個人のBlogだから信憑性にかけるとは思いませんが、少なくともこのエントリは

教科書の記述じゃありませんが、「生類憐れみの令は動物愛護だったから素晴らしい」みたいに現代感覚で捉えている人を見かけたことがあり、危うさを感じます。

と、現代の我々が生類憐みの令を賞賛する事を肯定している訳ではなく、逆に危うさを感じているという内容です。


また、yahoo!知恵袋の2項目についてですが、一つは生類憐みの令の内容ではなく、ドラマ水戸黄門の内容について書いてあります。(もう味噌もクソも一緒になってます。)


ただYahoo!知恵袋の残りの一つには、今回のなぜ「生類憐れみの令」は誤解されているのかの全てが含まれているので、まとめた人が書き込んだ可能性とYahoo!知恵袋を読んだ人が、そのまま鵜呑みにしてしまってNAVERまとめにまとめた可能性が考えられますね。

今回のNAVERまとめ「生類憐れみの令」は誤解されているのかというまとめは、Yahoo!知恵袋のたった一つのベストアンサーの主張を強調するために、あまり関連性の無い他のBlogエントリを寄せ集めただけの劣悪なシロモノです。


私は動物が好きだし、過去にはいろんな動物を飼っていました。捨て猫や捨て犬を拾ってきて里親探しをした事は一度や二度ではありません。

だから動物愛護の人たちの気持ちは良くわかるんですが、こういう悪質な印象操作で他人の歴史認識を捻じ曲げようとすれば、いつかその不正が明るみになり逆効果になる事は避けられないでしょう。


歴史は単純に残された資料をまとめただけの物ではありません。新たな資料が見つかれば、まず本物か偽物かを検証し、時代背景や該当する人物の性格、周囲の人たちの反応などを検証して歴史が出来上がっています。もちろん、それらの手順を踏んで、間違いがあれば修正されます。


生類憐みの令なんて、貞享4年(1687年)から綱吉が亡くなる元禄13年(1700年)までに十数回のお触れが出されています。Naverまとめの最後にある「生類憐みの令」の原文なんて、その内の一つに過ぎません。十数回のお触れの中から意図的に一つだけを選んで「コレが原文ですよ」なんて、歪曲・偏向も甚だしい。


もちろん異論は認めるし、その異論も尊重します。ただ、この手の悪質極まりない歪曲、捏造による印象操作を許してはいけない。

なぜならば、不正はいずれ暴かれて、その反動で被害を受ける人や動物が出るからです。


私が「生類憐みの令は史上最悪の悪法だった。」と考える理由は、長くなるので近いうちに改めてエントリしたいと思います。