96条の改正案には賛成出来ん!安倍総理&自民党は下野したときの事も考えるべき!

アベノミクス円高はほぼ是正され、それに伴い株価も上昇して安定傾向。安倍氏が首相になってから日本に明るい兆しが見え始めました。



安倍総理が優秀な事も一つの要因ですが、民主党政権が比較の対象なんだから誰が何をやっても好結果が得られたんじゃないか?という印象の方が強いです。

しかしながら、短期間で円高是正&株価堅調を成し遂げた事は高く評価するべきでしょう。しかも方向性を示しただけで、これといった施策の実行は日銀総裁人事だけです。日銀総裁人事だけでアベノミクスの3本の矢(金融・財政・成長戦略)をほぼ成し遂げたんですから、一石二鳥どころか一石三鳥です。「たいしたもんだ」と思います。



しかし、現在話題になっている憲法改正については疑問を感じます。

時代に則した憲法に改める事は重要な事です。現行法は余りにもお花畑すぎて今の時代には合っていません。私自身憲法改正には大賛成なんです。



しかし、自民党の改正案を読むと、96条の改正が盛り込まれています。現在の憲法9章96条は、

この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。



となっています。

自民党の改正案では

この憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議に基づき、各議院の総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票において、その過半数の賛成を必要とする。



とされています。



改憲へのハードルが少しだけ低くなるってだけの話のようですが、私はかなり危険な選択だと感じています。

今までは衆参両院の三分の二以上の賛成が無ければ改憲を発議する事が出来なかったのに対し、改正案では過半数の賛成で議決し、国民投票を行い、過半数が賛成すると改憲出来るようになります。



なぜ96条の改正案が危険なのか?

なぜ96条の改正案では危険なのでしょう?

例えば、まだ記憶に新しい民主党政権時代を思い出して下さい。

民主党政権はオツムの中身がお花畑だった鳩山首相。総理になっても市民運動家レベルの批判活動しか出来なかった無能な菅首相。経済音痴の野田首相と三代続けて日本にとって有害な人物が首相になりました。日本は崩壊寸前の危機に陥りましたがなんとか踏みとどまる事が出来ました。

民主党政権時代のボンクラ政治で日本が崩壊せずに済んだのは、96条の壁が厚かったからです。日本は96条のおかげで現在があるんです。



ココから先は非常に大事な部分なので、安倍首相をはじめ自民党の議員さんにも読んでほしいです。



もし、自民党の改正案が通ったとします。その後、民主党が政権を獲ったらどうしますか?

すでに民主党は崩壊してるし、国民も同じ詐欺師に何度も騙される事は無いでしょう。しかし、自民党が定期的に下野する事は歴史が証明しています。民主党に変わる第二、第三の民主党が生まれる事は必至なのです。というか、私に言わせれば民主党が第二の社会党だったんですが・・・

細川・羽田・村山内閣時代および鳩山・菅・野田内閣時代に過半数の賛成で改憲の議決が可能だったとしたら、日本の国益は軽視され、国民が塗炭の苦しみを味わっていたでしょう。すでに日本経済は崩壊していたかも知れません。恐ろしい話です。



96条の改正を論ずる前に、第二、第三の民主党が出現しても大丈夫なのか?という事を考えるべきです。

96条を改正して後で、名前を変えた第二の民主党政権が誕生した場合、とんでもない改憲が行われる可能性は否定出来ないのです。そしてそれは日本人にとって脅威であり、日本崩壊の始まりになるでしょう。



現在は好調をキープしている安倍政権ですが、世の中には波があるモンです。好調な時もあれば不調時もあります。そうそう好調をキープ出来るとは思えない。自民党政権が不調なときに有権者の選択がどう転ぶかなんて判らないんです。

安倍首相および自民党の皆さん、選挙で負けた時の事なんか考えたく無いでしょうけど、政権を握った政党の義務だと思って考えてみてください。過半数の賛成で改憲案が議決される場合、第二、第三の民主党政権が誕生したらどうなるか?



マジで日本は終わっちゃいますよ!

調子の良いときに、ちゃんと将来のリスクを考えなきゃ駄目です。「安きに居りて危うきを思う(春秋左氏伝)」事が重要ですよ。