原子力発電の今後について

原子力発電所を再稼動させるべきか、それともこのまま脱原発に突き進むべきか?

原発推進派は再稼動を推すだろうし反原発派は再稼動には断固反対するだろう。

どちらが正しいのかは判りかねますが、日本は民主主義の国なのでなかなか方向性を定めるのが困難だと思います。

私自身は「容認派に属するんだろうな。」と思いますが、今後の世論について考えてみたいと思います。

今後の予測

2012年の夏は福島原発事故からまだ1年半ですから原発再稼動はないと思います。当然電力需要に対応出来ないので各電力会社は企業や一般家庭に対しての節電要請を行っていますし、計画停電の検討も始めているでしょう。

昨年は冷夏だった為に電力不足は一部の地域を除いて問題にならず、我々国民の負担も比較的軽いものでした。

しかし、冷夏もあれば酷暑もあるのですから、一昨年並みの酷暑も想定しておく必要が在ると思います。

そして酷暑だった場合には節電死も起こり得ると考えるべきでしょう。

個人的な推測ですが、私は「今年の夏には節電死が現実のものになるんだろうな。」と予想しています。

節電死が現実になった場合、世論は原発再稼動に大きく振れると考えています。なぜならば原発事故に由来する死者の数は現時点ではゼロです、まだ誰も亡くなっていないんですよね。

原発事故に由来する死亡者がゼロの状況で、原発停止による電力不足由来の死亡者が出れば、原発再稼動を求める人が増えるのは当然でしょう。

そうなれば来年あたりから原発の再稼動が始まるでしょう。

原発派は忸怩たる思いでしょうけど、原発事故に由来する死者数はゼロ、原発停止による無理な節電で亡くなる方は増える一方なんだから再稼動に反対出来ないと思います。

来年辺りから再稼動が始まって、2〜3年後には福島原発事故以前の稼働状況に戻るでしょう。

事故以来、反原発運動を続けていた活動家たちは「お前らが再稼動に反対したおかげで○○人の命が犠牲になったぞ。この偽善者どもが!」と罵られる事になるでしょう。街を歩けば石を投げられるなんて事は無いでしょうが、批判や非難に晒される事になるのは避けられないでしょう。

そして今後十数年の間に原子力発電に対する依存も高まるでしょう。

ところが数年後のある日、福島原発事故で被曝した可能性のある人が癌を発病します。原発事故で被曝したのが原因かどうかは確認出来ませんが、「原発事故で被曝したのが原因じゃないか?」と考える人は少なくないでしょうし、今まで散々偽善者扱いされてきた反原発活動家達が「絶対に原発事故による被曝が原因だ。」と主張するでしょう。

そして再度世論が真っ二つに分かれて、現在のような大論争が行われると思います。

同じ事を何度も繰り返してしまうのが人間の歴史なんだよな〜

結論

多少強引な結論ですが・・・

日本だけではなく人類は原子力発電に依存して生活するでしょう。

理由は簡単です。電力不足による節電死は酷暑の度に発生し増え続けるが、原子力発電に由来する死者はゼロのままです。

原発で人は死なないが、電力不足の場合は確実に被害者が出る。」のですから、原発は必要だという意見が大勢を占めるのは間違いありません。

原発事故由来の発癌例を確認出来ない以上、反原発運動や脱原発運動がいくら盛んに行われても原発を止める事は出来ないと思います。

まあ原発が大事故でも起こせば再度大論争が行われると思いますが、結局「原発に由来する死亡者数はゼロだが、電力不足による犠牲者は増え続ける。」という状況では原子力発電廃止に向かう事は出来ないと思います。

私自身は原発容認派ですから原子力発電に悲観的なイメージは持っていませんが、反原発派にとっては悲しすぎる結論かも知れません。