被災地の瓦礫受け入れを論理的に考えてみよう

震災から1年が経過しているのに、東北地方の復興は余り進んでいないようだ。

その最大の理由というのが、震災瓦礫の処分です。

私自身は東北に行ったわけじゃないし、瓦礫についてもテレビやネットで映像や画像を見ているだけなんだが、被災地に積み上げられている瓦礫の量を見れば、「こんなん被災地だけで処分出来る訳ないやん」と思う。



こういう時の為に、日本には「相身互い」という言葉があるんだが、どう考えても被災地だけの相身互いで片付く問題ではなさそうだ。

ならば同じ民族・同じ国民として被災地の瓦礫処分に協力するのは当然の事なんだが、ここで立ちはだかっているのは福島原発の事故による放射性物質の問題です。

我が国の政府や原子力発電を推進してきた連中は、放射性物質放射線について正しい情報を国民に報せてこなかった。

よって国民の放射性物質放射線についての知識は呆れるほど低い。

放射性物質放射線についての知識が希薄だから、必要以上に恐怖心を抱いているのも事実である。

放射能怖い!!」と騒いでいる人たちは、目に見えないという恐怖心も加わっていると思う。

何か得体の知れない物に対する恐怖心というのは、考えれば考えるほど恐ろしく感じるものだ。

そして、どれくらいの被曝線量で健康被害が出るのか?それはどれくらいの時間が経過して発症するものなのか?その辺がハッキリしていないのも問題だと思います。

しかし、そんなのハッキリ出来ない理由もあります。個人差もあるし、大人と子どもじゃ将来発癌する可能性も大きく変わります。

またバリウムやCT検査などの医療被曝も間接的に影響するし、ラドン温泉などへ頻繁に行く人はそれだけ被曝量は増える事になります。

いくら「低線量の被曝だから健康被害は無い!」と力説されても、「そんなの個人差があるし、人によっては他の被曝量も考えなきゃいけないんだぞ!」って気持ちになるのも事実です。

しかし、だからといって「なんでもかんでも受け入れ拒否!」ってスタンスには賛同しかねます。

瓦礫受け入れに反対するのであれば、なぜ反対なのかを明確に示すべきだと思うんですよね。

国の基準が信用出来ないというのであれば、独自の基準を算出して「1キログラム当たり○○ベクレル以上の瓦礫は受け入れしない」といった明確な基準値を示して拒否するべきだと思うんですよね。

まずは各自治体で独自の受け入れ基準を

「震災瓦礫は何でもかんでも受け入れ拒否!!」ってスタンスの人が余りにも目立っていて、正直「このくそったれ共が!!」と思った事もあるんですが、元をただせば放射性物質放射線について正しく伝えてこなかった国にも問題が無いとはいえず、情報を発信するべきメディアが放射線放射性物質に関して白痴同様に無知だった事も事実です。

いくら受け入れ反対派がヒステリックな活動を続けていたとしても彼らを一方的に責める事は出来ないと思う。

ただし、震災瓦礫の処分は国家レベルの問題なので、一部の人達のヒステリーに付き合っている訳にはイカン。

だから全ての自治体で独自の受け入れ基準を制定し、「我が自治体で受け入れられる震災瓦礫は、放射線量が1キロあたり○○ベクレル以下の物に限る。」と公表すればいい。

そういう姿勢ならばくっそったれ共のヒステリーとは一線を画す事が出来ると思うんですよね。

政府も「受け入れてくれない?」と促すばかりでなく、「まず各自治体で震災瓦礫の受け入れ基準を制定して下さい。」と受け入れ基準の制定を促すべきだと思います。当然だけど、「迅速、早急に制定するように」って指導するべきだ。

受け入れ基準も設けずに、反対する人たち

明確な受け入れ基準も制定せずに、何でもかんでも「受け入れ拒否!」って人たちの反対意見は無視しても良いと思います。だって・・・そんなのただのワガママでエゴイスティックなヒステリーに過ぎないんだもんね。

「反対するなら反対の理由を明確に示せ!」って事ですよね。そうすれば一部の集団ヒステリーも沈静化するだろうし、ちゃんと放射線被曝について勉強すると思うんですよ。

今後のエネルギー政策の事もあるし、多くの人が放射線被曝について正しい知識をシェアする事は大切だと思う。

21世紀になって10年以上が経過してるのに、いまだに世論が一部の集団ヒステリーによって右往左往してるなんて馬鹿馬鹿しいじゃないですか。情け無いし・・・・

政府の基準より厳しい基準

自治体が独自の基準値を制定した場合、政府が決めた基準値より厳しい値になる可能性も否定出来ないが、それでも良いと思うんですよね。政府に信用が無いからこそ独自基準を定めたんだから、各自治体の基準値に政府は反論出来ないはずです。

震災瓦礫の受け入れについて、賛否両論ある事は事実ですが、賛成派にしても反対派にしても論理的な基準と根拠を提示出来なきゃ、単なるワガママ・エゴ・ヒステリーと言わざるを得ない。逆に説得力のある基準を設けることで、賛成も反対も論理的な意見になると思うんですよね。

そういう意味で、静岡県の横浜港運協会が決めた「1キロ当たり100ベクレル以下」という基準は政府の基準よりかなり厳しい基準だが、私自身は非常に前向きで論理的な姿勢だと感じています。少なくとも「何でもかんでも受け入れ反対」の連中や「政府の安全基準以下だから大丈夫!受け入れよう!!」という賛成派の連中よりも遥かに論理的だと思うんですよね。

国の安全基準は信用出来ん

私自身は国の安全基準には疑問を感じています。

そもそも他の自治体で受け入れる震災瓦礫は、あくまでも放射性物質を含まない物に限定しておくべきで、汚染された瓦礫を拡散するのは危険だと思っています。少なくとも専用の施設を有し、専門家がキチンと管理する事が出来る自治体に限定すべき。

津波被害の瓦礫と放射能汚染された瓦礫を一緒に考えちゃマズイ!

国の基準は1キロ当たり240〜480ベクレルが焼却可能で、焼却によって濃縮された放射性セシウム放射線量は1キロ当たり8000ベクレルという事になっています。
http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste_koiki_pamph.pdf

この基準値からすると、国の基準は低レベルの汚染物質だと推測できます。

汚染されていない瓦礫なら1キロ当たり240ベクレルって事は無いでしょう。

瓦礫の受け入れはあくまでも汚染物質ではない瓦礫に限定しないとイカン。

汚染されていない瓦礫って限定して考えると、横浜港運協会の基準値1キロ当たり100ベクレルという数字の方が明らかに納得出来るんですよね。100%とは言わないまでも99%安全ってレベルで基準値を定めるべきだしね。

汚染された瓦礫の処分

それじゃ〜汚染された瓦礫の処理はどうすんの?って話になると思うんですが、残念ながら「汚染された瓦礫については、汚染地域に止めておくべきだ」としか言えない。

移動させるって事は汚染を拡散するって事と同じです。

汚染地域で地中深く埋めて、コンクリートなどで密封するしかないでしょう。コンクリートの経年劣化も視野に入れて、20〜30年後には更に周囲をコンクリートで密封出来るような配慮をしてね。


「それじゃ〜福島の人たちはどうなるの?」って意見もあると思うんですが、そこんところは非常に難しいんですが・・・私には答えられません。

歴史を振り返れば、数十年スパンで大津波が襲来する地域だという事も判ったし、土壌汚染も計り知れない。どう判断して良いのか私には一生かかっても答えが出せないです。

最終的には住民投票国民投票による決定

最終的には自治体毎に住民投票を行い、自治体の方針を決める事がベストだと思います。また自治体の受け入れが決まったら、国民投票も行ったほうが良いでしょう。

民主主義国家ですから有権者の投票で決めるべきだと思います。

以外に受け入れに理解を示す住民も多いと思いますよ。実際受け入れに反対している人たちって、日本の有権者じゃない人たちが目立ってますし、さらに言及すればプロ市民と呼ばれる人たちも目立ってますね。そんな人たちが受け入れを検討している自治体に出向いていって反対運動を煽っている事も事実だしね。

日本人は他人の痛みが我が事のように感じられる心優しい民族であり、和を以て貴しとなす国民性です。

日本の有権者による住民投票および国民投票を強く希望します。

利権・利権と騒ぐ連中の正体

この瓦礫処分を複雑にしているのが「原発利権」だの「瓦礫利権」だのと騒ぐ連中です。確かに原発には利権が絡んでいる可能性があるし、瓦礫処分も産廃業者に仕事が回る事を考えれば利権といえなくも無いです。しかし、いざ瓦礫を受け入れたとして、産廃業者以外で処理できる法人・個人がありますか?私は無いと思います。地元業者が仕事をする事を利権だなんだと騒ぐなら、営利企業や団体は全て利権じゃないですか。それとも「無償で仕事をしろ」とでも言いますか?馬鹿馬鹿しい!!まさにプロ市民的発想と言えるでしょう。

私は個人的に、原発利権だの瓦礫利権だのと騒ぐ連中こそ卑劣な利権団体なんじゃないかと疑っています。彼らは全ての活動に利権が絡んでいると思い込んでいるので、「お前ばっか儲けんな!その利権の一部をコッチによこせ!!よこさなきゃ騒ぎを起こして利権ごとぶっ潰すぞ!!」って主張しているんじゃないかと思うのです。

そうじゃなきゃ受け入れを検討している自治体に「お前の自治体が瓦礫を受け入れるなら、貴様んとこの農作物は一切買わないし、不買運動をするぞ!」なんて脅迫電話や脅迫メールをしないと思うんですよね。

買う買わないは個人の自由だけど、「不買運動するぞ!」は脅迫以外の何物でもない。そんな奴が震災瓦礫の受け入れ拒否を煽っているんだよね。

卑劣な脅迫メールや脅迫電話を受けた自治体はちゃんと訴えるべきところに訴えるべきだと思うんだけどね。

私は賛否両論あって良いと思うし、むしろ在るべきだと思っている。だから反対派の人たちにも提案したい。卑劣な脅迫行為を行っている反対派を排除するべきだ。そうしないと反対派の正当性がなくなっちゃうと思うんだが如何だろうか。