原子力発電の今後
福島原発の事故以来、原発反対派が活況でかなり鬱陶しい状況です。
私自身は、原発を推進する気は全くないが、反対する気持ちも全くない。
私は玄海原発から直線距離で25㎞の場所に住んでいるが、玄海原発でプルサーマル発電を行う事に反対したりしなかった。
なぜなら、そこには既に原子力発電所が在ったからだ。
なにもないところに、新たに原子力発電所を作るというなら、それには間違いなく反対する。
しかし、既に原発がある場所については反対するつもりは全くないのだ。
原子力発電は低コストの発電か?
原子力発電はコストパフォーマンスに優れた発電だと言われているが、私は必ずしも低コストだとは考えていない。
今回のような事故が発生すれば、補償問題等でコストは一気に高騰する。
また、Co2を排出しないのでクリーンな発電と言われているが、これも一回の事故で大規模な環境破壊に繋がる。どこがクリーンなエネルギーやねん。
原子力発電の安全性
今回の事故で、原発の安全神話はもろくも崩壊した。今回の事故に関しては東電の体質によるところが大きいし、原発の安全性というより管理責任者の問題という気がするが、現実に無能なくせに自己保身ばかりしか考えていない盆暗がトップになっている。
今の日本社会では無理をせず、無難に仕事をこなす人間が出世し、リスクを覚悟して革新的な取り組みを行う人間はまず出世出来ない。
リスクを覚悟して革新的な取り組みをしても、成功すれば出世出来るんだけど、成功するまでは無能だの役立たずの給料泥棒などと相手にされない。
しかし、成功した途端に、皆さん手のひらを返して擦り寄ってくるんだけどね。
残念だけど、現在の日本の社会はそういう構造になっている。
だから東電に限らず、大企業のトップは無能なくせに自己保身術だけは突出している人間が多い。
東電トップの首のすげ替えをしたところで、次も似たような奴がトップに収まるんだから、現状が大きく改善される事はない。
無能な奴がトップになる構造なんだから、原発は常に危険な施設であるといえよう。
原発は効率が良い発電か?
原子力発電は効率が良い発電方法だといわれているが、本当に効率が良いのだろうか。
原子核反応時の熱で水蒸気を発生させ、タービン発電機を動かす発電方法が本当に効率が良いといえるのだろうか。
火力発電に比べたら遥かに効率が良いだろうけど、あくまでも蒸気タービンを使用した発電方法の中では効率がよいというだけの話である。
エネルギーの伝達
エネルギーを伝達するには、一旦エネルギーを電気に変えて送電するのが一番効率が良い。
しかし、そのせいで電力に依存し過ぎているのではないか。
そんな疑問も浮かんで来るのだが、電気に変わるエネルギー伝達方法が思い浮かばないのも事実。
ちなみに人間の動作は電気制御されている。神経細胞から筋肉へ送られる信号は電気である。
もしかすると、電気は人間が考えうる最も効率の良いエネルギー伝達媒体なのかもしれない。
エネルギーの伝達手段は、電気に変わる代替案は出てこない。
究極のエネルギー
究極のエネルギーは、前回も上げたように太陽エネルギーである。
太陽は、地球が存在する限り枯渇する事のないエネルギー源であり、もし太陽で何らかの事故が発生した場合、人類は生き残る事が出来ない。というか、地球ごと太陽に飲み込まれるか、太陽フレアで燃え尽きちゃうかも知れない。
誤解が生じるといけないので、一応書いておくが、太陽フレア自体は何度も発生しているし、その度に地球上に何らかの影響が出たわけではない。普段は観測されない地域でオーロラが観測されたりした程度である。2003年に観測された規模のフレアが直撃すると、人間は恐らく生き残れないと思うが・・・直撃する可能性は低いと思う。というか思いたい。
まあ〜太陽が超巨大な核エネルギーの集合体だから、太陽の事故はまさにこの世の終わりである。
つまり人類が死滅するまで、いや死滅した後も枯渇しないエネルギーなんです。
原発の今後
今後は大規模な見直しが必要な原子力発電ですが、見直してもスグに他の発電に移行できる訳ではないので、暫くは原発とお付き合いしなきゃならないんですよ。
少なくとも20〜30年は、原子力発電とお付き合いしなきゃならん訳です。
日本の電力供給戦略は、ベストミックスと呼ばれる戦略なのだが・・・ベストどころか、各発電に依存しているという厳しい状況。原発が事故れば電力が不足するし、ダムが数箇所壊れれば電力不足、火力発電所で火災が起これば電力不足。ベストどころか全ての発電に依存しきっていて、どれかひとつがダメになると、すべて電力不足に繋がりかねない状況。どこがベストミックスやねん。
まあ〜火力発電所は新しく作れないし、ダム建設も自粛傾向、原発もダメって事になれば、拡大する電力需要に供給が追いつくはずがないのです。
代替エネルギーに目処が立つまで、現有の施設をフル稼働させるなり、効率をあげるなりしながら拡大する電力需要に対応していかなきゃならないわけで、一番融通が効くのが原子力発電なんですよね。
電力不足は絶対に容認できない理由
電力の供給がなくなったら生きていけない人たちが大勢いる事を忘れちゃいけない。
透析している人なんかだと、電気が止まると死に直結するんですよね。
暫くは自家発電等で生き延びられても、長期間の電力不足は死の宣告に等しい。
そういう現実を無視して、ヒステリックに「原発反対!即時停止!!」なんて叫んでいる連中を見ると虫唾が走るわけでして、私には原発反対派の連中が机上の空論で綺麗事を並び立ててるだけの偽善者にしか見えない訳です。
反対は大変結構な事なんだけど、「それなら実現可能な代替案を出せよ」って言ってしまう。
原発反対派が感情論でヒステリックな連中だから容認出来ないのであって、原発を推進しようとは思っていない。
今後新設するのは反対です。しかし現在の原発を稼動させる事には反対しません。
感情論で原発を止め、電力不足に陥ったらどうするのか。
透析している人たちの事は?
火力発電の依存率を上げ、電気料金が高騰すれば、貧乏人は電気を使うなって事になりませんか?それは弱者を切り捨てているって事になりませんか。
ムキになって感情論で原発停止を訴えるより、代替エネルギーについて考えたり、原発を安全に稼動させる方法を考えた方が前向きだとは思いませんか。
前回のエントリでも取り上げたけど、アインシュタイン曰く「人間の邪悪な心を変えるより、プルトニウムの性質を変えるほうが易しい。」そうです。
プルトニウムの性質を変える事も含めて考えるべきじゃないでしょうか。
「素人が考えても答えなんか出ない」と思っているのであれば、そんな思考停止した連中の「反原発運動」なんか誰も相手にしないのが当然じゃないかと思うんですよね。
原子力が未来の夢のエネルギーだった時代
核アレルギーが強い我が国でも、原子力は未来の夢のエネルギーだった時代があるんです。
誰かの利権とか、そんな下衆な考え方をし始めたら、何だって悪質なものに感じますよ。
しかし、日本の原子力開発は未来の夢のエネルギーを追い求めた結果なんです。
むかし・・・鉄腕アトムに憧れていた人は多いでしょう。
誰だってアトムの力を得たいと考えていたと思うんですよね。
まだまだアトムを生産出来るほど技術が発達した訳じゃ無いので、原子力は今後も更に伸びしろのあるエネルギーなんです。
ただし、巨大なエネルギーには巨大なリスクが付き纏う。これは表裏一体なので避けられない。
原発に変わる代替エネルギーが見つかっても、そのエネルギーが強大ならば、強大なリスクがセットになって付いてくるんです。
そういう事も含めて、原子力発電の今後を考えないといけないんじゃないかと思います。