民主主義は破綻し始めている

民主主義は破綻し始めている。

数年前から私は日本における民主主義というシステムは破綻していると感じています。

民主主義というシステムは現在多くの先進国で採用されているシステムだし、むしろ民主化していない国々に対して後進国的な印象を持つ事も多いです。

我が国においては、大東亜戦争の敗戦で占領軍から押し付けられた民主主義を後生大事に守り続けている。

当ブログで何度も書いているが、民主主義とはぶっちゃけ多数決主義であり、民主主義というシステムを採用している限り、マイノリティー(少数派)は常に排除され、マジョリティー(多数派)ばかりが優遇され続ける。

既得権益を持つ人たちが多数派を占めれば、既得権益にすがりつく人々が増え続け、更に既得権を持つ人々の権益は守られ続ける。

大多数の人々が幸せならば、それはそれでいい事なのだが、大きな問題点を抱えている事も事実です。



多数決主義の欠点

マイノリティーの主張が封殺されてしまう社会というのは、進歩や成長に期待出来ないのである。

なぜならば・・・新しく何かをスタートさせる場合、その何かは常にマイノリティーからスタートするのである。これは必然なのだ。

新しいサービスを始める時、新しいサービスなんて誰も知らないのだから支持してもらえる訳が無い。だから必然だ。

近年では一人に一台の携帯電話を保有しているが、私の記憶では初期の携帯電話は馬鹿でかくてとても携帯と呼べるようなシロモノではなかったし、一部の好事家のアイテムだった。

携帯電話の普及に一役買ったのは携帯メールという機能だった。

すでにポケットベルによる意思伝達を行っていたために比較的スムーズに携帯メールは普及したのだが、ポケベルが普及していなければ今日のように携帯電話が普及したかどうか疑問である。

電話という既に確立された伝達手段から派生した携帯電話でさえ、今日のように普及するには沢山の障害があったのだ。

それが既存の分野で無かった場合、新しいサービスは普及するどころか人々の知らないうちに封殺されてしまうだろう。

何事もスタート時にはマイノリティーからスタートするものだ。

マイノリティーの封殺は、社会の成長や進歩の妨げになるのだから、民主主義というシステムは言い換えれば変化や成長を封じてしまいかねない危険なシステムです。



民主主義の否定

しかし、今の世の中で民主主義を否定するような変わり者は私だけだろうと考えていたのだが、世界は広く有能・異能な人材も多い。なんと60年以上も前に「実際のところ、民主制は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた、他のあらゆる政治形態を除けば、だが」と指摘している人物もいた。

今でも英国では絶大な人気を誇るウインストン・チャーチル元英国首相である。

60年以上前に民主主義というシステムが最悪だと言い切っているのだから脱帽である。

そして、その後の過去に試みられた政治システムは更にダメだったと追加しているところも興味深いというか感心させられます。

そうなんですよね。民主主義はダメだけど、現時点では民主主義より優れたシステムが存在しないという事が最大の不幸なんです。

そして、民主主義のダメなところを民主主義の枠の中で改善され続けている事もまた事実です。

賢い奴はみんな気がついているんですよね。民主主義は多数決主義なので、マイノリティーの封殺につながり、マイノリティーの封殺は進歩や成長の妨げであるって事に気がついているんです。

逆に、民主主義サイコーって感じで思考停止している人が多いのもまた事実なんだけどね。

まあ〜この期に及んで共産主義に代表されるような社会主義を支持しているよりはマシって気はするんだけどね。

民主主義はダメだけど、それより優れたシステムが無いんだから、民主主義を採用せざるを得ないのが現状なんですよね。



それでも民主主義の破綻は進行していく

しかし、すでに綻び始めている民主主義にしがみ付いていてもダメだろう。

特にIT分野の法整備については、対応出来なくなってきています。IT分野は恐ろしいスピードで進歩しているのに、法整備をする立法府では多数決で議員を決めています。

恐るべきスピードで進化するITに対し、法整備は人気投票で選ばれた素人が行っている。法整備が追いつかないのが当然だと思う。

民主主義というシステムを採用している限り、選挙は人気投票の場に過ぎない。

そして、人気投票で議員を選んでいてはめまぐるしく変化する社会情勢や進歩する環境に追いつかないのだ。



提案

しかし、民主主義の変わるシステムが思いつかない以上、過去の修正のように民主主義の枠の中で改善する事を考えるのがBESTだと思う。

そこで提案なのだが・・・

衆参両院の選挙を選挙区制から分野制に移行してはどうだろうかと思う。


たとえば、現存の省庁をスライドして総務・法務・外務・財務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・国土交通・環境・防衛の各分野に分けて全国区で投票を行う。

内閣府は各分野から選出した議員で構成する。

各分野にエキスパートとして選ばれた議員が配置されるので、変化や進歩に対応しやすくなる。

完璧とはいえないまでも、今よりは良くなるんじゃないか。

各分野に誰が詳しいか?なんて有権者に判り難いと思うけど、選挙戦で「経済について私より多くの情報を入手出来る人間はいません!」と宣言し、選挙演説で自慢の情報を懇々と説明すれば良いんじゃないかな。

当然二院制も破棄しよう。

2012年は総務・法務・外務・財務・文部科学・厚生労働の選挙を行い、2014年は農林水産・経済産業・国土交通・環境・防衛の選挙を行うようにすれば、任期4年で2年に一度の選挙を行うので費用的にも負担増にはならないはずだ。

解散総選挙が難しくなるが、その事については今後考えてみたいと思う。

きっと良い知恵が見つかるはずだ。


民主主義というシステムを長く存続させる方向の提案になるのだが、民主主義より優れたシステムが思いつかない以上、民主主義の枠の中で改善していくしか選択肢が無い。

60年以上も前にダメだしされた民主主義にしがみ付くのはどうかと思うが・・・

まだまだ改善すれば使えるシステムなんだろう。「いよいよダメな時には自然発生的に新しい政治システムが生まれてくるもんだ」と結構楽天的に考えている。