中東各地に飛び火した反政府運動の多くは、上っ面の成功を勝ち取っても、本当の成功は勝ち取れない
チュニジアやエジプトで反政府運動が成功した事で、民主化運動は中東全域に飛び火した感じですね。
何度も書いているけど、チュニジアやエジプトの反政府運動の成功や民主化運動の成功は、本当の目的の為の一過程であり通過点に過ぎない。
チュニジアやエジプトの民衆が、より良い生活環境を手に入れる事、貧困や飢えから開放される事が大事なんですよね。
よって、民主的に行われるであろう選挙において、有権者が国のリーダー選びを間違えないという大前提が満たされないといけない。
反政府運動の中心人物を英雄視してリーダーに祀り上げれば良いというモンじゃない。
エジプトの反政府運動
チュニジアの反政府運動は詳しく知らないけど、エジプトの反政府運動はかなり紳士的に行われたという印象がある。
暴力行為や略奪行為が少なかったからだ。
これは、反政府運動のリーダーが優れていたからだ。
本来の目的を見失う事無く、冷静に対応し、参加者に暴力行為や略奪行為を行わぬように周知徹底した為だろう。
統率力も十分に兼ね揃えたリーダーだった事は疑う余地もありませんね。
当然、民衆は次期リーダーに今回の反政府運動のリーダーを擁立する方向で動くだろう。
しかし、これほど優れた革命家が「はい。そうですか。それでは私が・・・」というだろうか。
優れた革命家というのは、「革命家としての資質と、為政者としての資質は違うんだ」という事を理解している。
しかし、現段階で次期リーダーとして名乗りを上げなければ、民衆が間違えた選択をする可能性が高まる事も知っているだろう。難しい選択を迫られるのはリーダーの方か・・・
短期間限定で暫定的にリーダーを務め、早々に後継者に引き継ぐべきだろうな。
それでエジプトの革命は成功に近づく。
飛び火した運動
問題は、チュニジア・エジプトの反政府運動成功をキッカケに、反政府運動を始めた地域だ。
「自分達も頑張れば民主化出来る。」とか「独裁政権から脱却出来る。」という理由で反政府運動を始めても、それは間違いなく失敗する。
独裁政権打倒も民主化も、民衆の生活向上の為の一過程であり目的ではない。
あくまでも目的は民衆の生活向上です。本当の目的を見失った革命なんて失敗する。
独裁政権は倒せるだろうし、民主化も可能になるだろうけど、肝心の民衆の生活が向上しないのであれば、革命は失敗なのだ。
そして、反政府運動のリーダーたちの資質もエジプトの場合と大きく違う。
暴力行為や略奪行為が蔓延しているようだ。
治安悪化は、諸外国からの物流事情に悪影響を及ぼし、民衆の生活は更に酷い状況になるだろう。
便乗型の革命なんて、上っ面の成功(現政権打倒や民主化)は勝ち取れても、本当の成功には程遠いものなのだろう。
少なくとも治安悪化によって社会的弱者(老人や子ども達)は、更なる貧困や飢えに苦しんでいるだろう。その事に考えが及ばないような連中がリーダーだという事である。
中東各地に飛び火した反政府運動の多くは、上っ面の成功を勝ち取っても、本当の成功は勝ち取れない。