企業が若者に何か求めているんじゃなくて、若者が企業に仕事を求めている時代
ある大学生の話によると、就職活動が大変なようですね。
長引く不況に加え、近年の大学生はいわゆるゆとり世代。
面接する側にゆとり世代という先入観が全く無いかといえば、恐らくバリバリ先入観があると思うんですよね。
その先入観で優秀な人材を取りこぼせば、面接官の能力が問われる事もあるんだろうけど、現実には就職氷河期なんで、一人二人取りこぼしたところで企業側の損失は少ない。
むしろ、先入観で採用を見送られた方がダメージは大きいんですよね。
しかし・・・今後は英語を社内公用語にする企業も増えるだろうから、採用するにあたり、英語能力が問われる事も多くなるだろう。
ますます就職活動は厳しくなると思う。
しかし「ちょっと変だなぁ?」と思う事もある。
企業が新人を採用する場合、まず第一に着目するところはなんだろう?
専門職を採用したい場合は、専門知識やスキルを求めるだろうし、総合職の場合はコミニケーション能力なども問われるだろう。
必要な人材を採用する為に、企業によって求める知識や技術、技能は異なる事になるんですよね。
しかし就職難の時代なので、就職活動する人たちは幅広い業種の採用試験を受けに行く。
A社の試験には専門知識、B社の試験にはコミュ能力、C社の試験には英語能力など、幅広く採用試験を受けようと思えば、幅広く様々な能力を身に付けないといけない。
しかし、一人の人間が短期間で身につけられる能力など、入社してから身につける能力に比べれば屁みたいなモンである。
タダでさえ屁みたいな能力なのに、更に幅広く身につけようと思えば、更に深みの無いものになってしまうし、個性すら消え失せてしまう。
なにも目立つものが無く、特に光るものが無いならば、面接官の目に止まる事はないだろう。
そして、面接官の目に止まらなかった人たちは「若者にイロイロ求め過ぎだよね〜」とため息を漏らす。
非常に悪い流れだと思う。
企業が若者に何かを求めているのなら、その何かを持っている人は採用されるだろう。
就職氷河期の今は、企業が若者に何も求めていない状況だという事を自覚しないと、折角靴をすり減らして採用試験を受けても空回りを続けるだけである。
売り手市場であれば下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる事もあるだろうが、就職氷河期に下手な鉄砲戦略は通じないんじゃないだろうか。
むしろ一つの業種に絞り込んで、専門知識やスキルを磨いた方が効果的な就活が出来ると思う。
企業が若者に何かを求めているとしたら、その何かさえ持っていれば採用される。
その何かとは、企業によって違うし、同じ企業でもその時々によって少しずつ違っているはずである。
その何かを身につける努力をした方が効果的だと思う。
広く浅く能力を身につけたところで、面接官の目に止まることはない。
むしろ、マニアックな専門知識の方が重用される。
どうせ無駄な時間と労力になるのであれば、いろんな事を幅広く身に付けるより、好きな事をトコトン追求したほうが効果的な就活になるし、もしダメだったとしてもいくらでも潰しが利くと思うのだが・・・。
企業が若者に何かを求めているならば・・・の話であって、何も求めていないのであれば、どんな努力も無意味である。
企業が若者に何か求めているんじゃなくて、若者が企業に仕事を求めているのである。
この事にいち早く気が付いた人が、就職にたどり着くんだろうな。
挙句の果てには「年金受給年齢が75歳から!」なんて事に成りかねないのだから、不遇な世代なんだよなあ〜
こういう時代だからこそ、国公立の大学を卒業した人は、起業して雇用を生み出す人になって欲しいのだが・・・これまた、親が安定を求めるモンだから起業という選択肢が選択出来ない。
企業は若者に何も求めていない上に、起業という選択肢を奪われているんだから、今の若者は八方塞である。