海老蔵はお墓の前で土下座して涙せよ

海老蔵が元暴走族の連中にぶん殴られたという事件は日本中の話題になりましたが、本人がどれだけ反省しているのかよく判らんし、示談になったようだが今ひとつ釈然としない問題ではあると思っています。

恐らく、海老蔵サイドおよび歌舞伎界から相当額の裏金が動いたであろうと推測するものの、証拠なんか出てこないだろうし、真相は闇の中に封じ込まれてしまっているだろう。

私は、芸能界に詳しい訳でもないし、歌舞伎ファンでもないので、事の真相がどうなのか気にはなるものの、気にしてもしょうがないと思っています。

歌舞伎が日本の伝統芸能である事は事実ですが、歌舞伎界の人間は常に清廉潔白を求められるような立派な人間である必要は無いんじゃないかなと思っている。

元々歌舞伎というやつは、傾奇者(かぶきもの)と呼ばれる風変わりな人たちが基になっていると聞く。

花の慶次のモデルと言われている前田慶次郎利益は、傾奇者(かぶきもの)として有名だが、彼の逸話を調べれば、和歌や漢詩を好む文化人として高い教養をうかがわせ、慶長出羽合戦では長谷堂城の撤退戦で大活躍し、直江兼続が率いる上杉勢を無事に撤退させるなど、武勇に優れた人物なのだが、常に人を小馬鹿にした態度が目立つロクデナシだったようである。

一夢庵風流記 (新潮文庫)

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元々傾奇者(かぶきもの)といわれた人たちは、奇抜な格好や行動を好むロクデナシが多かったのではないだろうか。

そのロクデナシ文化を、日本の伝統芸能にまで高めてきたのは、歌舞伎界の先人達の偉業であり、その功績は高く評価するべきなのだが、歌舞伎界に海老蔵のようなロクデナシのDNAを色濃く残す人物が数人くらいいても当然なのではないか?

今でこそ日本の伝統芸能と言われているが、歌舞伎の元祖と言われている出雲阿国が傾奇者(かぶきもの)の風俗を取り入れて踊ったのが原型なのである。

元々反社会的な連中の風俗が原型なのだから、歌舞伎役者が清廉潔白である必要は全く無いんだよな。

むしろ、歌舞伎役者の根底にはアウトローのDNAが色濃く残っていると考える方が自然なのではないだろうか。

だからといって、海老蔵を擁護する気持ちなど皆無なのだが、歌舞伎役者に「日本の伝統芸能の伝承者」としての、高尚な人格を求める必要はないと思うんですよね。

素が反社会的な文化なんだから、アウトローの遺伝子を持っていて当たり前、むしろアウトロー的な感性を失ってしまっては歌舞伎の魅力も半減するという考え方でもいいと思う。

そして、反社会的な海老蔵と反社会的な暴走族という組織のOBのイザコザである。

大げさに騒ぐ必要はなく、アウトロー同士の揉め事など放っておけばいいと思うのだ。

ただ、海老蔵は反省しなければならない。スポンサーやファンに謝罪する事も大事だが、海老蔵が本当に謝罪しなければならないのは、反社会的風俗を日本の伝統芸能まで向上させた偉大なる先人達だと思う。お詫び行脚をしているらしいが、真っ先にお詫びに行くべき場所は、先人達のお墓だったんじゃないかと思う。

先人達のお墓の前で土下座して涙を流して反省すればいいんじゃないかと思う。

花の慶次―雲のかなたに (第14巻) (Tokuma comics)

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