日米合同演習は北朝鮮に対する抑止力になっているのか
北朝鮮による無差別殺人(砲撃による)が起きて、朝鮮半島を取巻く環境は一触即発の状況になった。
私も「民間人が殺されたので、こりゃ〜戦争になるぞ。現在、北と南は休戦中なんだが、今回は韓国内の世論も戦争に傾きそうだ。」と感じた。
しかし、その後は幸いにも軍事紛争に発展する事無く、無事に過ごせています。
私は、韓国の世論に詳しいわけではありませんが、戦争という行動は常に世論の後押しによって起きる性質を持っているので、北朝鮮の世論、韓国の世論が戦争を選択すれば簡単に戦争が始まると思う。
戦争にいたる条件は世論
日本人の多くが勘違いしていると思うが、国家間の戦争は独裁者の鶴の一声で始まるようなものではない。
戦後日本では、大東亜戦争は一部の指導者によって引き起こされた戦争だと教えているようだが、勘違いも甚だしい。
特に近代日本の戦争は、国民世論に推されて起きた戦争ばかりである。
外国でも同じような傾向なので、地球上で起きる戦争という馬鹿げた行為は、常に世論の選択であったといっても過言ではないだろう。
独裁者として悪名高いアドルフ・ヒットラー氏も、当時のドイツ国内およびドイツ民族の多い隣国では圧倒的な支持を得ていたし、日清・日露戦争も世論の高まりに後押しされて始まったし、大東亜戦争に関しても国民の多くが開戦に前向きだった。
大東亜戦争(第二次世界大戦)が、一部の指導者によって引き起こされた戦争だと考えるのは、責任転嫁も甚だしいと思う。
実際に開戦前夜、日本では何度も総理大臣が変わっている。
開戦に踏み切れない政府に対して、国民(世論)が「ノー」を突きつけた結果である。
戦争という行為は、一部の指導者の鶴の一声で始まる事はないが、世論の高まりと共に一部の指導者が開戦を選択せざるを得ない状況になって始まるものだといえる。
日米合同演習の抑止効果
私の自論で言えば、日米合同演習は朝鮮戦争再発の抑止効果はないと思う。
むしろ、北朝鮮の大衆感情を刺激して、再発の火種になる可能性の方が高いといえよう。
ただし、日米合同演習の前に行われた米韓合同演習は。充分な抑止効果があったと思う。
北朝鮮の場合は、指導者より世論が先行するという事は考えられないので、北朝鮮の世論が戦争に傾くことはない。朝鮮戦争が再発するのは、韓国内の世論が高まって始まるというシナリオ以外には考えられない。
そして、米韓合同演習で韓国の大衆はガス抜きが出来たし、その後北朝鮮が沈黙している事で、韓国の人たちは「あえて北朝鮮を叩く必要はない」という印象を持ったと思う。
日米合同演習は抑止力にならないが、米韓合同演習は充分な抑止効果が期待できると考えていいだろう。