新設小学校が平和で安心して通える小学校になる事を祈りたい

個人的に注目している山形の「さくらんぼ小学校」ネーミング問題ですが、児童の安全を優先し学校側が校名変更を決めました。

未だに「先にネーミングしたのはWEBサイトの方だ!」と主張し、「ググれば名前が被っている事に気づいただろ!ググれ情弱!!」と吼えている連中がいる事に軽い嫌悪感を覚える。


確かに検索サイトで検索すれば、問題のWEBサイトがトップで表示されるし、調査しなかった市の怠慢と言えるだろう。

市の怠慢を擁護する気にはなれないし、むしろ「生徒の安全を重視するなら、検索して調査するのは当然だ。」と思います。

調査を怠った市の対応は批判されて当然だと思う。


しかし、先にネーミングしたのがWEBサイトの方だったとしても、アングラはアングラなので日の当たる場所に出てきてはいけないと思う。

日の当たる場所に出てきちゃったら、それは既にアングラではない。

個人的にはアンダーグランウド文化は嫌いじゃないし、そこそこの市場規模を築いたアングラ文化もある。
ところが、日のあたる場所に出てきたばっかりに勢いを失ってしまうのもアングラ文化の特徴だ。

日の当たる場所に出てくれば、当然周囲の監視の目も厳しくなるし、規制だって厳しくなる。

今まで以上に法律や条令を意識しなきゃならなくなるが、法令順守しようと思えばアングラの魅力は失われていくものだ。

そもそもアンダーグラウンドを好む人たちは、注目を集めたり、話題の対象になることを嫌う人が多い。目立たずにコッソリ、限られた仲間だけで楽しむからこそアングラなのである。


しかし、問題のサイトの管理人は真摯な態度で対応している。

《学校の(校名変更の)ご意志が変わらぬようでございましたら、児童の安全を配慮し、サークル名の変更を視野に入れることも考慮しております》
(子供や保護者の方々を不安にしてまで、名称を貫こうとは思っておりません)

と、サイト上に掲載していたようだ。

非常に良心的な管理人だった事が判明した。


ところが、この管理人の対応に対して、市側は・・・

「顔も名前も分からない“運営者”の言葉であり、行政としての校名変更とは別次元」
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20100910/dms1009101639013-n2.htm

と、取り合わなかったのである。

既に騒ぎになってしまっているので、生徒の安全を考えれば校名変更は避けられない状況だったのだろうが、バッサリ切り捨ててしまった市の対応はお粗末である。

市長および市の職員にとっては、「顔も名前も分からない運営者」だったのかも知れないが、WEBサイトを管理する以上、管理するサイトについては責任を持っているし、URLはネット上の住所のようなものだ。確認していないがサイト上には連絡用のメールアドレスも記載されていたのではないか。

サイト名を変更するのは簡単だが、運営者やユーザーにとって、使い慣れた馴染み深いサイト名の変更は抵抗があるものだ。

馴染み深いサイト名を捨てる覚悟をした運営者に対して、もう少し配慮があっても良かったんじゃないかと思います。(「ご提案は嬉しいですが、すでに騒ぎになっており校名の変更は避けられません」等)


WEBサイト側も騒ぎになってしまった以上、サイト名の変更は避けられない状況だと思う。

もう過去のようなアングラサイトではいられない。

当然周囲の監視の目も厳しくなっているし、よく話題になっている二次元規制の対象になる可能性だってある。

すでにアクセスが集中し、現在、アクセス過多により転送量が増大し、サーバ運営会社より帯域調整がかけられている状態だそうです。

URLやサイト名の変更は避けられない状況でしょうね。



しかし、この市長も一言多い感じの人ですね。

会見の最後に土田市長は「同名のアダルトサイトがあるとは夢にも思わなかった」と話し、「交通事故に例えるなら、(向こうから)ぶつかって来たような感じだ」と渋い表情を浮かべた。
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/09/20100910t53020.htm

いやいや・・・市が調査を怠った事を棚上げしてはイカンでしょう。

結局自分達の首を絞める事になった苦情メールを送った一部ユーザーの責任も重いと思うけど・・・


しかし、取り返しのつかない大問題に発展する前に発覚した事で「さくらんぼ小学校」の名称が変更されれば、今後の危険を回避するキッカケになったといえるし、全く無意味な行動だったとは思えない。

大問題に発展する前に、危険の種に気づくことが出来たんだから、新設小学校が平和で安心して通える小学校になる事を祈りたいと思います。