子どもと大人の間で約束は成立するのだろうか
大人と子どもの約束なんて、約束と呼べる代物じゃないだろ!
実は、はてなのソーシャルブックマークで
『子供を叱る若い母親に言いたい、「お母さん、それは無理です」』
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4149
という記事を発見し、とりあえず読んでみた。
その中に・・・
2〜3歳の年端のいかない子供に向かって、「どうして約束を守れないの」と圧し殺した声でしつこいくらいに問いかける。子供はすでにべそをかいているが、母親は許そうとしない。
と書かれているのですが、確かによく耳にする台詞です。今までは何の疑問も抱かずに聞いていたような気がします。
ところが、この会話の中には大きな矛盾が潜んでいます。
そもそも大人と子どもの間で約束事やルールが存在するのだろうか?
約束やルールといったものは、お互いが納得して初めて成立するものであり、一方が求めても、もう片方が納得していなければ成立しないものです。
大人と子どもとの間でも成立する約束だってあるとは思います。例えば
「お父さん、今度の日曜日に遊園地に連れて行ってよ。」と子どもが家族サービスを要求した場合、お父さんが「よっしゃ〜日曜日は遊園地に行こう」と承諾すればお互いが納得しているので約束事として成立する。
ところが、記事に書かれている
「じゃあ、どうして約束を守れないのよ。おかあさんは赤ちゃんの乳母車を押さなくちゃいけないから、あなたに遠くに行かれたら困るの。それくらい分からないの」
という内容から推測すると、母親の一方的な要求に対し、子どもは黙って肯くしか出来ないような状況です。NOとは言えないし、NOの理由を明確に説明するだけの言葉を持ち合わせてはいないだろう。2〜3歳の子どもが母親の要求に対し「NO」と宣言する事は困難だし、NOの理由を相手に理解させるだけのボキャブラリーも備わっていないと思う。
このケースの場合は、約束といえるような代物ではなく、大人の一方的な要求を押し付けているだけのように感じてしまう。
かといって、「じゃ〜好き勝手にしなさい。お母さんは知りませんよ」なんて突き放された日にゃ〜子どもにとってはお先真っ暗である。
だから、この場合は約束と言うと詭弁になってしまうので、命令と言えば良いのではないだろうか。
親が子どもに命令するなんて大人気ないと思うかも知れないが、事実上の命令なんだし、約束と言う名の詭弁を弄すよりも誠実なんではないだろうか。
命令を人当たりが良いように「約束」というよりも、正直に「命令」といったほうがよっぽどフェアである。
そもそも、子どもが「命令」と「約束」を混同してしまう可能性だってあるんだから、やっぱり正直に「命令」と表現するべきだろうな。
しかし・・・言葉って難しいよなあ〜
ところで、今回引用した記事の中で感心した内容は
子供はまず親から愛され、たっぷり可愛がられた後に、ほんの少しだけこちらの言うことも聞いてくれるものである。
という内容である。
子育ての極意と言うか・・・達観しているというか・・・
「確かにそうだよなあ〜」と納得してしまった。
特に「ほんの少しだけ」って表現が秀逸だと思う。