スパルタ指導
人間というのはそう簡単に変わらないものなんだなあ〜
香川県の高専で、新入生の男子生徒38人を約3時間正座させて問題になっている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100427/crm1004272215042-n1.htm
思い起こせば、私も若いころ寮生活をしていた。
30年近く前の話だけど・・・
そこでは、談話室と呼ばれる和室に新入寮生が集められ、正座させられて説教をされていた。
そこで生意気な奴はぶん殴られたりしていた。
その説教というイベントは毎週行われ、私は生意気だったのだろう。よく殴られた。
正座させられて「全員目をつぶれ」といわれ、目をつぶった次の瞬間ぶん殴られた。
当時はそういうのが当たり前だった。
そして一年が経ち、今度は自分たちが後輩を説教する事になった。
最初は恒例行事だと割り切っていたが、2〜3回説教した後は面倒くさいから参加しなくなった。
寮の自室で仲間と麻雀をしていた。
後輩を説教するよりも、遊んでいたほうが楽しいに決まっているのだ。
しかし、同期の奴らからは「説教に出て来い」って怒られていたなあ。
気にせずに無視していたけど・・・
ところが、私ら数人が説教に参加していないとわかると、後輩達は益々生意気になって、私の同期に逆らうようになった。
手に負えなくなった同期の連中は「おい!ちょっと来てくれ。あいつら全くいう事を聞かん、逆に逆らうようになった。」といって私達を呼びに来た。
「麻雀してるんだけどなあ〜」と思ったが、知らん顔も出来ないので渋々談話室に向った。
私たちは中に入ると、後輩達は大人しくなったが、説教する方もされる方もかなり険悪なムードだった。
私 「お前らなあ〜。何でワシがココに来たか判るか?」
後輩達 「はい」
私 「なんでや?」
後輩達 「僕たちが先輩に逆らったからです。」
私 「ワシは麻雀しとったんや。邪魔せんとけや。」
後輩達 「はい」
私 「今度邪魔したら許さんぞ。」
後輩達 「はい」
と、こんな感じで言い聞かせてから自室に帰った。
もっと厳しい口調だったかも知れないが、こんな感じのやり取りだった
その後、説教がどうなったかは知らないが、自室で麻雀の続きをしていると同期の連中が抗議に来た。
同期 「もっと厳しく言うてくれや」
私 「みんな素直に『ハイ』言うとったから、あんでエエやん。」
同期 「あれやったら、お前の麻雀の邪魔せんかったらエエみたいやんけ」
私 「他に気に入らん事は無いしなあ〜」
同期の連中は不本意ながら、とりあえず後輩たちが逆らわんようになったので納得してくれたようだった。
それから一年が過ぎると、今度は彼らが説教をするようになる。
私は相変わらず麻雀三昧。
しかも・・・本当は説教しなきゃイカン一つ下の後輩も一緒に麻雀している。
しかし「お前は説教に行かんなアカンのちゃうか?」なんて言えないんですよ。
なんせ自分が参加せずに麻雀していたんだから、後輩に行けとはいえない。
結局、そういう恒例行事って男ばっかりの寮なんかに入ると避けられないんですよ。
先輩・後輩のけじめをつけるって意味もあるんだろうね。
やっている奴等は、後輩を躾けるって責任感から説教しているんであって、もともと無責任な私のような人間は「遊んでいたほうが楽しいや」ってなっちゃう。
暴力を肯定する訳にはいかないんだけど、挨拶も出来ないようなら先輩から怒られてもしょうがないと思うな。
というか、挨拶も出来ない後輩に対して指導しない方が無責任なんだよね。
無責任に麻雀していた私には、偉そうに言えないんだけどね。
いまだにそんなスパルタ指導が残っているとは思っていなかったし、今の若い子らがそんな泥臭い指導をしているなんて夢にも思わなかったけど、いまだにやってるんだなあ〜と懐かしく感じた。
現代っ子らしく、もっとスマートな指導法もあるんじゃないか?と思うけど、やっている連中は責任感から真剣に指導しているんだよね。
その辺は理解してやらなきゃダメだと思うよ。