ニュースが一方向からの視点で書かれている事が多すぎると思う

千葉県は「11年前の県民の日のイベントで収録した「ビデオカプセル」を紛失した」と発表した。

 千葉県は23日、11年前の県民の日のイベントで収録した「ビデオカプセル」を紛失した、と発表した。
 子どもたちが将来の夢などを話した様子がビデオに収められ、20歳になったら受け取れるはずだったが、県も委託業者も保管していることすら忘れ、当時の参加者から問い合わせを受けて捜したが、見つからなかった。
 記者会見した赤塚稔・環境生活部次長は「皆様に深くおわびします」と陳謝した。
 1999年6月に千葉市幕張メッセで開かれた「わくわく県民まつり」のイベントの一つ。小学生以下の子どもが対象で、1人につき約3分間収録した。県と事業を受託した幕張メッセ(旧・日本コンベンションセンター)によると、最大120人を収録する予定だったが、申込書も一緒に紛失したため、被害者も人数も特定できていない。ビデオを2025年まで保管する事業内容だったが、業者との契約に保管は含まれておらず、県の担当課でも引き継がれていなかった。
 問題が発覚したのは昨年8月。鎌ヶ谷市の女性から「子どもが20歳になるので取りに行きたい」と県に連絡があったが、県も幕張メッセもビデオの存在を把握しておらず、倉庫などを捜したが出てこなかった。県は19日、女性に電話で謝罪したが、「納得はしないが、これ以上言っても仕方ない」と言われたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100323-00001245-yom-soci

ちょっと待ってくれ!と言いたい。

たしかに、ビデオの事だけを考えれば、「これ以上言っても仕方がない」と思う。


しかし、この事件にはもっと重大な問題が含まれていないか?

2025年までビデオを保管する事業内容なのに、千葉県と幕張メッセとの契約には、保管は含まれていなかったという事は、はじめから保管する気持ちもなければ、子ども達が20歳になったときに返す予定でもなかったと言う事。



「子どもの夢をなくした」という感情的な問題も重大だが、千葉県の業務不履行と考えると益々重大な問題じゃないか。

こういう指摘をすると、「公務員叩き」とか「細かい事を言うな」という連中がいるが、これは細かいことなのか?

業務不履行なら、どんなに些細な事でも大問題だし、しかも始めからビデオを返すつもりがなかったんだから、これは自治体による詐欺行為ではないのか?

悪意はなかったというかも知れないが、返す予定のないものを返すと言って預かったら、預けた側からすれば悪意以外の何者でもないだろう。

公務員叩きだと思う人は、勝手にそう思ってくれて結構だが、この事件は公務員であろうが民間企業であろうが、返却する気のないものを保管すると言って預かった時点で詐欺である。


「一個人なら詐欺だけど、自治体だったら詐欺にはならない」とでも言うのだろうか。

また、細かい事と思う人は、明らかに問題意識が欠如している。

個人同士だろうが、個人と自治体だろうが、自治体同士だろうが、契約不履行は大問題だ。

確かに個人同士だったらニュースにはならなかっただろうが、ニュースになるかどうかが問題じゃ無い。

誰が契約を守らなかったかと言う問題だ。

しかも、最初から契約を守る気がなかったのだから、こんなモンは詐欺である。

子ども達の夢を失くしたというタイトルで、感情論を煽るような報道姿勢も如何なものかと思うけど・・・

ビデオに夢を収録した人たちからすれば許しがたい事だろうし、当然責任は重いと思う。

しかし、問題がそれだけじゃないところを見逃していてはイカンと思う。



普天間問題

この自治体による契約不履行は、今話題の「普天間問題」にも含まれている。

名護市は米軍基地の受け入れを条件に、累計260億円もの特別予算を貰っている。

市長が変わったからと言う理由で、米軍基地の受け入れを拒否しているが「だったら260億円は国に返せ!」と言いたいのである。

この260億円の特別予算は、名護市民に正しく伝えられたのか?

「米軍基地の受け入れを拒否するなら、260億円の特別予算を国に返さなきゃいけない」という事を公表して選挙に臨んだのか。

もし、260億円の特別予算を意図的に隠していたとしたら・・・

そりゃ〜詐欺と言われても当然だろうと思う。


基本的にぶっちゃけブログなので、ぶっちゃけた話になるが

「米軍基地受け入れを条件に名護市は国から260億円の特別予算を貰っているが、私が市長になった暁には米軍基地受け入れを拒否した上で、国からの特別予算260億円は全部踏み倒してみせます」と公言して選挙戦に臨んだほうが潔いと思う。

実際にこのままじゃ、契約不履行で賠償請求されるべき問題だし、260億円と言う金を国に返すなら、名護市は第二の夕張になるだろう。

返せないなら日本中から「名護市は我々の税金を騙し取った自治体だ」と非難される事になるんじゃないか。


それとも、政府や各メディアが名護市を守る為に260億円もの特別予算について隠し通すのだろうか。

それはそれで、国民を裏切る行為ではないだろうか。

政府やメディアの場合、当ブログのように本音で語れない部分はあると思うが、大事な事を隠したまま、米軍基地問題を語るべきではないと思う。

各メディアは普天間問題でポッポ総理の指導力不足を批判しているが、名護市に対する特別予算260億円もキチンと報道すれば、この問題はもっとわかりやすくなるしポッポ総理が苦悩している事も伝わると思う。


「260億円も貰っておいて、いまさら基地受け入れ反対と言われても困るよ」と言うのが一般的な考え方だろう。

国民の本音は「基地受け入れを拒否するなら、260億円は返してもらわないと困る」というモノだろう。

ところが、人の良いお坊ちゃま育ちのポッポ総理は、「それでも名護市を夕張の二の舞にはしたくない。なんとか最後まで名護市を庇ってやりたい」と考えているんだと思う。


首相として、国よりも一自治体の事を優先するのは如何なモノかと思うけど、その人の良さが国民が選んだ民主党の代表・ポッポ総理の長所であり短所なのだろう。

当ブログは、ポッポ総理を批判することが多いし、普天間問題については対応も拙いと思う。

そもそも出来もしないような事を公言してきたと言う経緯もある。

しかし、実際に自分が首相だったとしたら「名護市は基地受け入れを条件に、260億円以上の特別予算を貰っただろ。基地受け入れを拒否するなら、即刻260億円を返しなさい。返せないなら基地を受け入れなさい」なんて言えないだろう。

笠置シヅ子じゃないけど・・・「ワテ、ホンマによう言わんわ」という感じである。

笠置シヅ子さんを知らない世代の人はYouTubeで確認↓


そういう点では、ポッポ総理にかなり同情している。


ただ、首相としての責任があるのだから、キチンと対処しないと遠慮なく批判するんだけどね。