終末期医療(ターミナルケア)について
富山県の市民病院で、末期がんの患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして、殺人容疑で書類送検されていた二人の医師について、富山地検は不起訴とする方針を固めたそうだ。
富山県の射水(いみず)市民病院で、末期がんなどの患者7人の人工呼吸器を外して死亡させたとして、殺人容疑で書類送検された男性医師2人について富山地検は、いずれも不起訴とする方針を固めた。
死亡との因果関係の立証が難しいうえ、遺族が処罰を望んでいないことなどを考慮したとみられる。
引用:Yahoo!ニュース 患者7人の延命中止、2医師を不起訴へ…富山地検
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091112-00000033-yom-soci
今回のケースでは、法律上は殺人になるんだろう。
しかし安楽死や尊厳死については数十年前から、あれこれ議論されているにも関わらず、法の整備が遅れているというのが現状だと思う。
確かに難しい問題だと思うが、現行の法律では患者も、患者の家族も救われない。
終末期医療(ターミナルケア)
法の整備が遅れているといっても、終末期医療(ターミナルケア)については、患者が延命治療を望まない場合は、延命治療を行わないなど、患者の意思を反映するように考えられています。
終末期医療において重要視されるのは、延命ではなく、患者の苦痛緩和なんですよね。
また、リビング・ウィルも含めた患者の意思に従う事も重要視されています。
今回の場合
今回の場合、リビング・ウィルが存在するかどうかも判らないし、判断が難しかったんだと思う。
人工呼吸器を外す事が、延命治療の中止になるのか、それとも殺人行為になるのかの線引きは非常に難しいだろう。
「患者の遺族が処罰を望んでいない」という事は、患者の家族には延命治療を続ける事を望んでいなかったのだろう。
実際に終末期の患者の苦しみは、他人が見ても悲惨なものなので、もし家族だった場合は耐えられないと思う。
今回のような場合は、延命治療を中止したに過ぎず、殺人には当たらないという地検の判断だと思う。
しかし、願わくば私が終末期を迎える頃には、延命治療の拒否という消極的な対処だけでなく、苦痛緩和と言う視点から、薬物などを利用した積極的な安楽死が認められている事を願う。
尊厳死と言う名のもとに、殺人や自殺幇助が一般化する可能性は否定出来ないが、「もし自分が同じ立場になったら」と考えると、末期がんなどの場合、苦しみだけしかない生を望まないと思う。
末期がんの苦しみから解放される死を、自殺と同じ感覚で考えるのも納得出来ない。
自ら死を選ぶ事は、本来許されざる事なんだけど、終末期の場合は分けて考えるべきなんじゃないかと思う。