ダムに架かる橋と悲劇の歴史を語る町構想

八ツ場ダム建設を中止した場合

現在シンボリックに報道されている橋の橋脚の事ですが、橋は完成させて県道になるそうです。

そこでダム建設が中止されたら、どんな状況になるか考えてみましょう。

写真は佐賀県佐賀市富士町に建設されている嘉瀬川ダムに架かる橋です。昨年の9月に撮影しているので、ちょうど一年前の写真ですが、参考にして欲しいと思います。

銀河大橋と神水川大橋



銀河大橋


銀河大橋の下でダムに水没するであろう予定地です。

立ち退きは、ほぼ完了している様子でした。


神水川大橋


神水川大橋の橋脚を下から撮影しました。

水没するところですが、それまで人々が暮らしていた事を証明するように、小さな道路と小さな橋、ガードレールなどが残っていました。

ココで暮らした人たちの思い出なども一緒にダムの底に沈むことになります。

感傷的な事を書いてしまいましたが、素直な感想です。

住み慣れた土地を離れなければならなかった人たちの気持ちを思うと、どうしても感傷的な気分になります。

住民感情

住み慣れた土地を離れた人たちが、今更「ダム建設中止」なんて言われても納得出来ないのが当たり前なんですよね。

もうすでに立ち退かされているんだし、馬鹿でかい橋まで完成している。

今更、4枚目の写真のような場所で、生活する気にはならないでしょう。

この辺りにも少しだけですが、民家の名残りが残っていました。

八ツ場ダムの場合

嘉瀬川ダムは2011年に完成予定なので、今更感傷的になっても遅いのですが、八ツ場ダムは建設中止が問題になっているのだから、まだまだ議論の余地があると思うのです。

ダム建設を中止して、橋と県道だけを完成させたら2枚目の写真のような状況が残ると想定されます。

h935の日記さんのエントリ、「住民を叩いている外野連中はちったぁ想像力を働かせろってんだ」で

ただ、ダムが中止であれ続行であれ、川原湯温泉街は悲惨なことになっていて、その再生のアイデアを出すことなら、素人でもできるから。
もし仮に中止としても、
あの削られた山肌を、半端な巨大基礎を活かして、あの一帯が観光地として再生するにはどうしたらよいか?
引用:h935の日記 住民を叩いている外野連中はちったぁ想像力を働かせろってんだ
http://d.hatena.ne.jp/h935/20090926/1253942098

と、提案しておられます。

非常に建設的な提案ですから、私も微力ながら「吾妻再生プラン」を考えてみようという気持ちになりました。

2枚目の写真のような状況になるであろうと推測出来ますから、再生案を考える時の参考資料になればと思い、昨年の写真を掲載しました。

写真は佐賀県佐賀市富士町の嘉瀬川ダムに架かる橋ですから、八ツ場ダムに架かる橋の完成予想図ではありません。

吾妻再生プラン

しかし、2枚目の写真を見てもらえばわかるのですが、こんな状態でどんな再生プランが考えられるだろうか。

とても観光地として利用できるとは思えないし、川原湯温泉だって景観に問題が生じそうです。

このまま、ゴーストタウンにならざるを得ないのかと思うと、しのびない気持ちになるが、恐らく妙案は出てこないだろう。

移転を余儀なくされた地元住民の生活

住民の今後の生活の方が重要な問題なので、住民の生活を優先して考えてみよう。

半世紀以上に渡り、国の政策に翻弄された住民。政権交代によってゴーストタウンにならざるを得なかった吾妻郡長野原町を「悲劇の住民と悲劇の温泉の歴史を語る町」として、国家公務員の研修地にすればどうだろう。

悲劇の歴史を語る町

悲劇の住民と悲劇の歴史を語る町として、国家公務員の研修を行うようにする。

町のキャッチフレーズは「悲劇の歴史を語る町」でどうだろう。

もちろん施設は、川原湯温泉の移転させられた温泉宿。

そこで、国家公務員や国会議員は5年に一度、新しい川原湯温泉で10日の研修を受ける。

研修と言っても、小難しい机の上の研修ではなく、八ツ場ダム建設中止で、ゴーストタウンになった長野原町の惨状を目の当たりにする事と、再生案を考えたり、話し合ったりする研修を行う。

所属する省庁や政党の垣根を外し、ごちゃ混ぜで研修やディスカッションをする事で、省益だの党利・党則・党略などのクダラン制限に囚われない研修をするのだ。

国政に翻弄された町の実情を目の当たりにする事で、国家公務員や国会議員の戒めとすれば、同じような悲劇を繰り返さないような政治家や役人が育つのではないだろうか。

国会議員や国家公務員の皆さんは、自分達を戒める為の研修を、群馬県吾妻郡長野原町で行い、新しい川原湯温泉の温泉宿を宿舎とする。

現在、国家公務員は約30万人くらいだから、5年に一度10日間の研修とすれば、一年間で6万人、10日の研修として延べ人数60万人くらいの宿泊客が、新しい川原湯温泉に宿泊する事になるし、地域経済にも大きく寄与する事になる。

費用は税金で賄われる事になるが、今後我々が長野原町の住民と同じような悲劇に遭わない為の保険と思って割り切っても良いんじゃないかと思う。

財源は、海外視察などの費用を吾妻研修費にすれば、国民の負担増にはならないかも知れない。

研修による経済効果

ダムが完成した後の新たな観光地としての吾妻渓谷・川原湯温泉へ訪れる観光客数は、年間57万人の見込みらしいので、国家公務員と国会議員が研修で一年間に延べ60万人宿泊すれば、観光収入に匹敵する収入が確保出来ると思う。

これなら、住民も納得してくれるんじゃないかと思うのですが・・・。

如何でしょうか?