結婚式の疑問
結婚式
昨日は、友人の結婚式であった。
そこで私は一つの目的を持って結婚式に望んだ。
結婚式の乾杯は、シャンペン(スパークリングワイン)で行われるが、各テーブルに一本のスパークリングワインが用意されていて、テーブル全員に注いでも、半分以上が残る。
スパークリングワインと言う物は、一度栓を抜くとその時に飲んでしまわないと、炭酸が抜けて飲めなくなる。
「残ったシャンペンを飲んでしまいたい。」「残った分を飲み干さないと勿体無い」という思いを持っている人は多いと思います。
私のような酒飲みは「酒の一滴は血の一滴と同様の価値を持つ。」と考えている。
だから、今回は残ったスパークリングワインをテーブルに置いていってもらって、まずはスパークリングワインから飲み干して行こうと考えていたのだ。
使命感
気にならない人からみれば、馬鹿馬鹿しい話なのであるが、私は今回ウエイターに「スパークリングワインをテーブルに置いていってくれ。」と言う事にある種の使命感を持っていた。
エコロジーな世の中なのに、みすみす捨てられるのが判っていて、スパークリングワインを無駄にしたくは無いのである。
今回の私の挑戦は、日本の結婚式に革命をもたらすエコロジーなチャレンジなのだ。
結婚式の挨拶
毎度の事ながら、結婚式の挨拶と言うのは長くてしょうがない。
スピーチのド素人が、大した練習もせずにスピーチするのだから、長くて面白味に欠ける話になるのは避けられない事なのだが、新郎の生い立ちや学歴・職歴など出席者は殆ど知っている話である。
もちろん、新郎側の招待客は、新婦の生い立ちや学歴・職歴はわからないので、全く無用なものではないと思うが、絶対に必要かといえばそうではない。むしろ無駄な時間という気がするのだ。
来春結婚予定の友人には、その事を伝えて革新的な結婚式を提案してみようかと思う。
「自分のときにやってよ!俺はようせん。」と言われるのがオチなんだろうが・・・私にはまだ結婚の予定は無い。
40過ぎて花の独身なのだから、早々に良縁に恵まれることは無いだろう。
大きなお世話なのである。
いよいよ乾杯
いよいよ乾杯が行われ、ウエイターに「そのシャンペン、そこに置いていって!」とお願いした。
同じテーブルの連中は、ギャグだと思い大笑いしているが、私は真面目にお願いしているのである。
ウエイターは、さすがに歴戦のプロである。
ニッコリ笑って「それでは後でお持ちします。」と言って、どこかに持っていってしまった。
「あっれ〜?持って行っちゃったよ。」と、なぜか私の居るテーブルだけ盛り上がっている。
そして暫くするとウエイターがニコニコしながら近寄ってきた。
私の後ろからウエイターが近づいて来た為、私は気がつかなかったのだが、私の正面の奴は「あらら?新品を開けてきた。」と笑っている。
コラ!コラ!コラ!!誰が新品を持って来いと言った。残ったシャンペンが勿体無いから置いていけって言ったのに、新品を開けてきたら本末転倒やないかい!
結論
私のような疑問を持つ客は過去にも何人かいて、その為にキチンとマニュアル化されているのだろう。
結果として、残ったシャンペンを無駄にしないという試みは、新たなシャンペンを開封されてしまうという本末転倒な結果に終わってしまった。
そのシャンペンは、最後の一滴まで飲んだので無駄にはしなかった訳だが、乾杯に使われたシャンペンの残りを救うことは出来なかったのである。
乾杯の残りが勿体無いと思っている人が、私と同じ過ちを繰り返さないように紹介する事にしました。