若い奴らが熱く語っていた

消防団

消防団の訓練が続いています。

昨日は、その訓練のやり方について若い連中が熱く語っていた。

単なる不満から、新たな提言に至るまで幅広く語っていたのだが、当然不満は私に向かうものだ。

部の訓練内容については、訓練部長が全権を握っているが、一般の団員が直接部長に不満をぶつける訳には行かないし、もしそんな事をされたら、先任班長の私の立場が無い。

だから不満が私に向かうことは当然であるし、そうでなくては困ってしまう。

消防のポンプ車操法訓練は、消防団に所属している人はわかると思うけど、一般の人には何のことかわからないだろうから、ここでは詳細を紹介したりしません。

ただ、訓練のやり方や時間管理に対する意見が飛び交ったと言う事です。

世代間のギャップ

よくジェネレーションギャップとか言われるが、この日私は若い連中に対して、大きな意見の相違点は感じなかった。

相違点を感じないどころか、数年前に私が主張していた内容とほぼ同じだったからだ。

「ボランティアのようなもの(消防団は厳密にはボランティアではない)に参加する為に、仕事に支障をきたすべきではない。」「私が経営者なら、消防団で仕事を長期間抜けるような人を雇用したくない。」など・・・。

しかし、地方の自治体で地域防災の役割を果たすのは、消防団しかいないのだ。

消防団と消防署

広域消防署などの公的機関の場合、現実に火災に対応するには人員が不足しているし、火災現場に張り付いていれば、救急の仕事が出来ない。

火災のときは、消防団も消防署も一緒に消火活動をするが、ある程度目処が立ったら「後は頼んだぞ!」と言って、消防署の人は2名ほどを残して帰ってしまう。

彼らは、次の火災に備えなきゃならないし、救急車の要請に備えなければならない。

よって地元消防団の役割は重要にならざるを得ない。

しかし、ボランティア色が強い消防団には若い人は入団したくないし、消防団のOBが親になっても「自分の息子は消防団には入れない」という人が多い。

緊急出動や各種訓練の参加などで拘束時間が長くなったり、緊急出動で予定が狂ったりするから、内容を知っているOBたちが我が子を消防団に入れたがらないのだ。

そんな背景がある為に、全国的に消防団は人員不足で、若手不在という現象に陥っている。

熱い不満

そして、若い連中の不満は拘束時間や訓練内容に向かう事になるが、若いが故に正に熱きマグマのように煮えたぎっているように感じた。

そんな彼らを、非常に微笑ましく、また頼もしく感じていた。

不満をぶつけられていて、微笑ましく感じるのは、いささか不謹慎な気もするが、実際にそんな印象だった。

激しく不満を感じたり、憤ったりするって事は、それだけ熱く、真剣に取り組んでいる証拠なのだ。

いつもは瞬間湯沸かし器のような短気な私が、彼らの不満を黙って聞いているのを見て、幼馴染は心配して私を外に連れ出した。

彼が言うには、私の怒りが爆発する直前は、一瞬静かになるそうである。

私は、怒りを充填するために黙っていたのではないのだが・・・(^^;

むしろ、微笑ましく、頼もしく感じながら聞いていたのだ。

私との相違点

私と彼らに相違点があるとすれば、現在の立場の違いなのだが、意見や不満の内容は非常に酷似しているし、実際に私が10年ほど前に主張していた内容なのだ。

そこで10年ほど前を思い出してみた。当時の私は一般の団員だったし、それからスグに班長になった。班長になった頃は、他の班長は殆どが私より年上だったし、キャリアも長かった。

そして、不満や意見を直接、部長や分団長に話すタイプだったし、幼い頃から個人的に付き合いのある団長に話す事もあった。

当時の先任班長や部長達にとっては、自分たちを飛び越えて上層部に直接物を申す厄介者だったのではないかと思う。自分自身よく反省するべき事だと思っている。

今の若い連中は、私に不満や憤りをぶつけてくるが、私を飛び越えて部長や分団長にぶつけたりしなかった。

彼らが私の立場を考えて、そうしたのかどうかは疑問だが、実際に私を飛び越えて部長に不満をぶつけたわけではない。

10年前の私と比較するならば、彼らの方がはるかに上等な団員である。

あえて相違点を挙げるなら、彼らの方が私よりはるかに上等な団員だと言う事である。

私の判断

私は、若い連中の不満を受け止め、今後の円滑な訓練を行う為に、約束した拘束時間を厳守するように部長に提言する。

どうしても拘束時間が延長するような場合は、事情を説明し団員達に理解を求めるように努めなければならない。

「中間管理職なんて、こういう役柄なんだろうな。」と思う。

私は、若い連中が拘束時間が長くなる事自体に不満を感じているとは思っていない。操法大会の選手たちの疲労や健康を心配する余り、不満が募っているものと考えている。10年前の私がそうであったように・・・。

選手達は選手達で、他の団員を長時間拘束しているのだから、操法大会で少しでもいい成績を残す事で恩返しをしたいと考えているから、多少時間が長くなって、疲労が限界に近くなっても、「もう少し」「もう一度」とリトライする。

しかしオーバーワークで集中力を切らした訓練に効果があるとは考えられないので、やはり時間管理は重要な事だと思う。

部長に提言が聞き入れられるかどうかはわからない。

しかし、無駄かもしれない提言を繰り返す事で、いつか受け入れられるだろう。

来年以降考慮してもらえるのか、10年後なのかは判らないが、繰り返し提言する事が重要だと思う。

少なくとも4年後には私が部長の立場になっているだろうから、その時には今回の若い連中の意見や不満は重要な役割を持つ事になるのだが・・・。