世代交代

2009衆院選

いろんな所で「にわか論客」が誕生しているわけですが、私は「ド素人が選挙の評論している暇があるなら、まず自分が為すべき事を考えて、一刻も早くアクションを起こしたほうが良い。」と考えています。

前回も書いたのですが、民主党社民党の公約の一つ「最低賃金1000円」案は、民主党社民党で多少ニュアンスが違うように感じますが、基本的な部分で一致している。

法案を作るために「すり合わせ」が行われ、妥協点を見出して法案として立案する事になると思うのですが、各党で基本的な部分が一致している公約に関しては、議論する時間が短くて済むのだから、比較的短期間で施行される事になる。

子育て支援や公立高校授業料無料化、高速道路無料など、民主・社民・国新のマニフェストで相違点が少ない(無い)ものは、速攻で法案化され施行されると考えるべきでしょう。

その中で、特に影響が大きそうなのが「最低賃金1000円」である。

しかもこの案の恐ろしいところは、国や自治体は実質的な負担が無いところです。

企業や法人が高い人件費を負担するだけで、国や自治体の財政は全く痛まないと言う事です。

長期的に考えると、法人の人件費負担が増え、収益悪化に繋がる為に、将来的には法人税の減少に繋がるのですが、短期的には個人所得が増加して所得税収が向上します。

短期的には個人所得増加で税収が増え、長期的には収入源になるものの、法律として施行した年から所得税の税収はアップ、数年後には企業の人件費負担による法人税の税収減になるのですが、その間のキャッシュフローが発生することは間違いない。

新政府がこんな事を考えているのかどうか疑問だが、財政難の時に新たなキャッシュフローが作られる事は、国や自治体にとって好ましい事だ。

恐らく数ヵ月後には法案を通して、来年あたり・・・遅くても2011年度には施行すると思います。

作用と反作用

世の中の全ての事には、作用と反作用が発生する。

最低賃金1000円案の作用は、一時的に労働者層の所得が増えるが、反作用として将来の労働力需要の低下の背景を作り出す。

将来的には強烈な雇用不安を引き起こす事は間違いないのである。

作用と反作用なんて子どものときの理科の授業で習った事だが、不思議な事に世の中の全ての事柄に応用出来る。

雇用問題と言う理科とはあまり関係ないような事柄に対しても、作用と反作用は発生するのである。

「作用があれば確実に反作用がある」という表現が正しいのかも知れない。

もう一つの側面

2009衆院選は、世代交代という側面を持っていたように感じる。

民主VS自民という対立軸で進行した選挙でしたが、結果として自民党の大物議員(ご高齢議員)が、殆ど落選または小選挙区敗戦後の比例復活当選という結果であった。

逆に民主党の新人議員(比較的若い人で、女性が多いのが特徴)が大勢当選した。

自民VS民主という枠を外してみると、「あーなんだ、世代交代選挙だったんだ。」という事が良く判る。

もちろんこのシナリオを書いたのは、選挙上手な小沢一郎氏である。

さすが豪腕と称される小沢氏だと思う。自公の大物議員に民主党の若手女性議員をぶつけて、効率よく議席を確保している。

強かな戦略だと言えるだろう。

自民党の高齢大物議員に無差別に刺客を送り込んだ訳ではない。

失言問題で足元がぐらついた久間氏の選挙区に、薬害訴訟の原告団の一人である福田氏を立てている。

お隣の佐賀県では、三区の保利耕輔氏の地盤が磐石だと判断したら、サッサと見切りをつけて候補者を立てていない。

小沢一郎氏の豪腕と緻密な戦略

もっとも鮮やかだと感じたのが、現職の参議院議員青木愛氏の東京12区からの出馬だった。公明党の太田代表の選挙区で自公連立に大きなダメージを与えた。現職の参院議員が、東京12区から出馬するなんて普通は考えられない。参院議員は自動的に失職するし、負けたら完全失職になってしまう。

確実に勝てるという根拠があったことは間違いないが、青木愛氏が郵政選挙で落選した後も、小沢氏は青木氏を秘書として働かせている。「もし負けても小沢さんはちゃんと面倒見てくれる。」という安心感があった事も青木氏の東京12区から出馬に繋がったのだと思う。

小沢氏の戦略は、ビジネスや人生にも応用出来そうなので、今後も研究したいと思うが、今回のテーマから外れるので、ひとまず終了。

世代交代

政権交代選挙と称される衆院選ですが、世代交代選挙と言う側面がある2009衆院選ですから、世代交代と言う視点から今後のアクションを考えてみたいと思います。

世代交代は、どんな世界にも必ず起こる現象ですが、政治の世界の世代交代はどんな事が起こるのだろう。

なんとなく明るい未来のイメージが沸くのですが、世代交代の後は混迷・混乱の主役不在という世界が展開すると思われます。

スポーツ界における過去の世代交代は、スター選手が次々に引退し、チームプレー重視の戦略が奏功し、日替わりのヒーローが活躍する事が多い。

政治の世界では、一人ひとりの政治家が所属政党の党則に従いながら、一兵卒として活躍する事になるだろう。

主役不在の社会なので、新たな業種や新興企業が躍進すると思います。

失業後に再就職を目指すより、独立して一国一城の主になるほうが成功確率が高い社会になると思います。

「案ずるより産むが易し」という行動が奏功する社会になると思います。