特定秘密保護法案について、多数派の反応は?

今回の国会で、政府は特定秘密保護法強行採決しましたね。

秘密保護法案:与党が強行可決で成立

強行採決という結果は想定内の結果ですし、別段驚くような事は無かったですが、面白いなと感じたのは民主党福山哲郎議員の発言です。強行採決に憤りを感じるのは当然ですが、「あんた民主党が与党だった時の事を忘れちゃったの?鶏は三歩歩くと忘れるというが、アンタの脳みそ鶏並み?」って笑っちゃいました。


特定秘密保護法案を有効な法にする為には必要不可欠だった強行採決

特定秘密保護法案について、法案自体を否定してる議員は少なかったんですよね。完全撤廃を求めていた議員は見当たらなかった。完全撤廃を主張してたのは、飯の種に蓋をされたんじゃお飯(おまんま)食べられないよ!」というマスコミの連中と、メディア迎合型の議員だけでした。


そりゃ〜そうでしょう!個人情報が流出しただけでも大騒ぎになる国ですよ。国家機密が流出しようモンなら大変な騒ぎになってもオカシくない。ただし、私を含め個人主義者が多数派の我が国において、個人情報<国家機密という方程式が通用するかどうかは判りかねますが、一般的な国家ならば個人情報<国家機密という方程式が当てはまるはずです。

間違っても「国家機密より個人情報の方が重大だ!」なんて考えてる人は居らんでしょう。


我が国において個人情報は数人から数千人の範囲(流出規模)のリスクですが、国家機密の漏洩は1億3千万の日本国民全員の命に関わるリスクです。個人情報<国家機密がそのまま当て嵌まらなくても、個人情報≦国家機密程度までが正解の範囲内であり、国家機密を個人情報の重要性が上回るなんて考える人は、余程のお花畑か狂人でしょう。


故に、この特定秘密保護法案自体を否定してる議員はいなかったんです。反対派の議員は「法案自体には賛成だが、内容についてはまだまだ議論が必要だ!」と主張してたんですよね。

それなのに何故政府は強行採決に踏み切ったのか?いずれ合意に至る法案なのに強行採決の意味が判らん!と感じた人は多かったはずです。先に取り上げた福山議員の本音もその辺にあると思います。


しかし、議論を重ねれば重ねただけの成果が得られるかどうかは疑問ですね。過去の経験から議論を重ねれれば、それだけシガラミが増え各種の制約や特例が認められ、結果的に『骨抜きされたザル法』になる事は明白です。最終的には本末転倒なクソ法に成り下がっちゃう可能性も在りうる訳でして、特定秘密保護法案を有効な法にするには早期決着が必要不可欠だったと思いますし、早期決着の為の手段として強行採決に踏み切ったのは理想的とは思わないが、現時点ではベストな選択だったのでは無いでしょうか。


強行採決という結果は間抜けな野党が招いた結末!

充分な議論が必要だと主張していた野党議員たちが、かなり間抜け揃いで役立たずだった事も今回の強行採決を許してしまった事も事実ですよね。


与党が圧倒的多数を占めていて、いくら反対しても強行採決されれば可決されてしまう事は百も承知の事でした。

充分な議論を重ね、与野党共に納得の出来る法案にしたいのであれば、もう少し頭を使わなきゃ駄目ですよ。与野党共に納得出来る法案というのが、各種の制約や特例ばかりの『骨抜きされたザル法』であり、一部の高級官僚に実績を与えるだけで、国民の為には一切役立たないクソ法になる事は明白なのですが、野党としての存在感を示す為には必要な事だったと思います。


じゃ〜特定秘密保護法案の議論を重ねる為に、野党が何を為すべきだったのか?っていえば、沢山答えがあると思いますが、私なりに考えたのは「与党議員の取り込み」が最有力だったのではないかと思います。


アベノミクス効果で高い支持率を誇る安倍内閣ですが、諸々の方針で党内が一致した見解を示しているとは思えず、個別に説得して切り崩していけば、多数派の切り崩し位は出来たはずです。与党内にも時期尚早の声もあったようですから、少々根回しの出来る人材がいれば、強行採決を阻止する事は可能だったでしょう。結局野党に人材なし!という印象を強くしただけでした。今回ばかりは野党は無能揃い!と言われても言い返す事は出来ないでしょうね。


異例の高支持率を維持する安倍内閣

安倍内閣の支持率は依然高いままです。当ブログを読んで下さる人の中には、「えっ?安倍内閣の支持率って50%ちょっとじゃないか!どこが支持率高いの?」なんて残念なオツムの人は存在しないでしょうけど、一応説明すると支持率が50%超えるのは発足当時だけの限定的な支持率であって、約一年間50%以上の支持率を維持した内閣は何時以来だろ?私の記憶する限りでは1年間50%以上の支持率を維持した内閣は無いんですよね。小泉内閣は長い間高い支持率を保っていましたが、その間に50%を何度も切ってるし一年以上高い支持率をキープした事はなかった。お殿様内閣(細川内閣)は一度も支持率50%を切った事が無かったはずですが、短命内閣で1年どころか半年で終了した内閣ですからこれは論外。


唯一もしかしたらと思ったのが、水玉のネクタイ以外に印象が薄い地味な海部内閣です。

発足当時の低支持率から徐々に支持率を上げた異例の内閣なのですが、2年以上高い支持率をキープしてます。しかし50%前後の支持率だったので1年以上50%を超えていたとは考えられませんね。


恐らく内閣支持率50%を1年以上キープしていた内閣はここ30年以上見当たらない。もしかしたら戦後初めて?かもしれない。


反発する反対派

今回の特定秘密保護法案で最も注目を集めたのが、民間人による反対派の活動です。煽っているのはマスコミ関連なのですが、TwitterやFBがネットユーザーを飛躍的に増やした事により、個人が普通に情報発信するようになりました。下手したら一般人が知らぬ間に特定秘密保護法に抵触し罰せられる可能性が否定出来ない。という危機感を持った人も多い事でしょう。

しかしその心配は無いと思います。そもそも一般人の耳に入った時点で誰かが漏洩した情報であり、誰かから伝え聞いた情報を公開して罰せられるという事は考えられない。どこの組織に属していようが守秘義務ってのは当然あるし、ヤバイ情報に触れたら「これって守秘義務違反じゃないの?」という事くらいはピンと来るでしょう。一億分の一の確率でヤバイ情報を入手したとしても、社会人なら誰だって「コレはアカン奴や!」と気付くはずです。


しかしまあ〜万が一気付かなければ罰せられる訳ですからちょっぴり怖い気はしますね。Blogも発信ツールですから、私も気をつけないといけないな。


多数派は声を上げない

サイレントマジョリティー(静かなる多数派)という言葉が在りますが、何時の時代も多数派というのは声を上げないものなんです。今回の騒動で大声でデモをしてる反対派の人たちってのは声を上げる事で自分たちがマイノリティー(少数派)の意見だという事に気が付いているでしょうか?煽られて騒いでる連中だから、そこまでクレバーな人たちじゃないでしょうね。クレバーな(賢い)人たちなら、自分たちが少数派だという事には気がついている筈ですし、声を上げなきゃイケナイような少数派の意見は通らないって気がつくはずです。


何時の時代も多数派は声を上げないんです。理由は簡単です。自分たちの意見が既に通る見込みだからです。


では、マジョリティー(多数派)は特定秘密保護法案を推進してるのでしょうか?そこには私自身が疑問を感じています。先にも述べたように私自身は特定秘密保護法案について消極的容認派です。決して積極的に推進しようとは考えておりません。現在は否定派と推進派が賛否両論のように報じられていますけど、現実は全く違うと思います。少なくとも推進派は今まで黙っていた訳じゃ無いです。消極的容認派の私でさえ個人情報漏洩で騒ぐのに、「国家機密を公開しろ!」と言うのはダブルスタンダードも甚だしいと感じていますし、はてブとかにコメントしたりしてるんですよね。推進派および消極的容認派も少なからず声を上げているものと推測します。


この件の多数派は何を思っているのか?

賛成でもなけりゃ反対でもない。そういう人たちが今回の特定秘密保護法案の多数派だと私自身は感じています。

声を上げる必要が無い人たちで、更に与党の強行採決さえ容認出来る人たち。反対派が町中で大騒ぎしてデモ行進しても「五月蠅い奴等だな」程度の怒りで収まる人たちが、全く声を上げてないんですよね。


以上の事実と、私の「多数派は声を上げない」という自分勝手な理論から導き出した答えは、多数派は特定秘密保護法案なんて可決されようが否決されようがドッチでも良いよ!と考えているという事でした。自分から進んで情報発信する訳じゃ無いし、TwitterやFBは仲間同士で楽しむだけで、ワザワザ危険な情報を入手する事もないし、それをリークする必要もない人たちなんだと思います。


マジョリティーの本質を考慮すれば、多数派の意見が何処にあるかは簡単に推測出来ますね。黙っている人たちが常に多数派なのです。

それが正しいか否かではなく、多数派の本質だから変えようが無いって事なんでしょう。


まあ一般人がイチイチ国政に口を挟む必要もないんですよね。自分たちの声を反映させるために莫大な費用を使って選挙を行い、代議士を決めてるんですから!


特定秘密保護法案?「はあ〜そんなの国会議員が良きに計らえば良い事だろ?」「何のために代議士を選んでると思ってんだ!お前等代議員制の意味判ってんのか?」というのが国民の本当の声なんだと思います。


そういう結論に至ると、ムキになって強行採決した与党も、強行採決で憤慨してる野党も、悲しいほどに国民の本音が見えてないんだなと思います。きっと国民の多くが「政治家ってのは悲しいくらいに馬鹿ばっかりなんだよな」って冷笑してるのかと思うと、ホントに恐ろしいのはサイレントマジョリティーなんだと改めて感じる今日この頃であります。