無能な人間による安易なインフレ誘導の未来とは

今朝テレビで、政治家の討論会をやってたんですが、アレって自己アピールの番組ですよね。

本来なら、「私どもはこんな政策を提案し実現する事で、国民の皆さんに○○な社会を提供する事が出来ます。」って事をテレビで多くの有権者に理解してもらおうという趣旨だと思うんですよ。



私は「今はとにかく景気対策だ!!」と考えているので、各党の景気刺激策を興味深く聞いていたんですが・・・

ほとんどの政党がインフレターゲットインフレ目標について語ってました。

もちろんインフレターゲットを定めて、緩やかなインフレを実現出来たら我が国の景気は活性化すると思います。何故ならインフレの時には現金を持っていると資産が目減りしてしまう為、お金持ちは現金や低金利の預貯金を物に替えようとします。

ですから、インフレの時代は物がよく売れる時代です。物が良く売れれば景気は良くなります。

ですからインフレターゲットを定めて、緩やかなインフレを実現すれば景気は良くなるんです。

しかし残念な事に、今の政治家にインフレターゲットを定めて、緩やかなインフレを演出する実力は備わっていないと言わざるを得ません。

確か・・・「2〜3%のインフレターゲットを定めて景気を回復する。」と主張していた政党がありましたが、2〜3%のインフレ率を実現する為の具体的な方法には触れていなかった。要するに「インフレターゲットを2〜3%に定めます。」って宣言すれば、勝手にインフレ率が2〜3%になるとでも考えているのでしょう。まったく馬鹿げた話です。


自己アピールの場で、己の無能っぷりをアピールしてどうする。



インフレコントロール

そもそもインフレ誘導自体は難しい事ではありません。日銀の倉庫に保管されている一万円札を全部市場に投入すれば良いし、それでも足りなきゃ更に大量の紙幣を刷って市場に放出すればいい。その工程を何度か繰り返せば、いつかはインフレに誘導できます。

国のリーダーが少々お馬鹿さんでもインフレに誘導するのは簡単なんです。

しかし、本当に大切なのはインフレに誘導する事じゃなく、インフレをコントロールする事です、インフレコントロールはかなり頭のいいリーダーが行っても至難のワザと言わざるを得ません。景気対策の施策として「インフレターゲットを何%にします。」なんて言ってるようじゃ、インフレをコントロール出来る訳無いんです。どうやってインフレをコントロールするのか?って事が大事なのに、闇雲に「インフレターゲットを・・・」と主張している政治家が多すぎて呆れてしまいました。

「やっぱダメだ!コイツラじゃ!!」ってのが、私の正直な感想です。



それでも景気回復にはインフレが必要不可欠

「コイツラじゃインフレをコントロールする事なんて出来やしない!」と思っていても、今の現状を考えると、一か八かのインフレ誘導が必要不可欠である事も事実なんですよね。インフレに誘導しなきゃ景気は回復しません。だって、デフレの時代には資産を物(不動産を含む)で持っていたらズルズルと資産が目減りしてしまうが、資産を現金や預貯金で持っていたら、勝手に物価が下がるので資産価値は高くなるんです。

金持ちが金を溜め込んでいたなら、世の中の景気が良くなる訳が無い。だから国の政策としてインフレに誘導しなきゃ益々景気が悪化するのは目に見えているんです。

景気が行き詰る前に一か八かの大勝負インフレ誘導を行わなければ不味いんです。

そんな事は百も承知だった筈なのに、なぜ今までの政府はインフレ誘導を行わなかったのでしょう。答えは簡単です。「インフレ誘導は簡単だけど、自分たちにはインフレをコントロールする知恵が無い。」という自覚があったからです。むやみにインフレ誘導をほのめかす政治家よりも、自分たちの実力を冷静に判断し「俺たちには無理だ!」って結論を出した連中の方が遥かに賢いと思います。まあ〜そうやって「自分達じゃ無理だ!」って先延ばしにしてきた結果が、現在の状況なんですが、「インフレをコントロールする術を持たない連中が、インフレ誘導を行うよりはマシだった。」と言えるでしょう。



インフレコントロールは本当に至難の業

インフレをコントロールするのは本当に至難の業なんです。

インフレという奴は、一度暴走し始めたら、一直線にハイパーインフレに向います。

どれだけの紙幣を市場に投入するかってさじ加減は、今の政治家の顔ぶれを見ていると無理fだと思うんですよね。もちろん私にも無理です。私に可能なら当ブログでインフレをコントロールする方法を紹介してます。

なぜ至難の業なのか?それは、現在市場に出回っている貨幣が一体どの程度なのか検討が付かないからです。

日銀が発行している貨幣だけならば、ちゃんと集計すれば正確な金額がはじき出せるでしょう。ところが、現在市場で出回っているのは日銀が発行している日本銀行券だけではありません。各種クレジットや電子マネーなどの総額も算出しなきゃいけないし、仮想空間のみに存在するバーチャルマネーが影響する事も考えておく必要があります。結局世の中に出回っている貨幣の総額なんて算出するのが難しいんです。せめてバーチャルマネーの何%が市場経済に影響するのかが判れば良いんでしょうけど、それが至難の業だと考えているんですよね。

バーチャルマネーは仮想空間のみに存在する価値なんだから、市場経済には影響しない!」って思う人もいるでしょうけど、実際には大きく影響する筈です。

物品を購入する際、「バーチャルマネーでも現金でもクレジットでもOKですよ。」って言われたら、貴方は何で支払いますか?私ならバッチャルマネーで支払います。その次がクレジット、現金で支払うのはバッチャルマネーを持っておらず、クレジットも使用限度一杯まで使っている状況で始めて現金決済を選択します。

現金やクレジットより、バーチャルマネーを使う人が圧倒的多数だとすれば、バッチャルマネーは市場に一番影響し易い貨幣だと言えるでしょう。政治家の皆さんがその事に気付いておられるかどうか?

日本の市場に出回っている貨幣の総額は、日本銀行券の発行額の数倍だと考えるべきでしょう。その状況でインフレを誘導する場合、如何程の日本銀行券を市場にリリースすれば良いのか検討がつきません。(少なくとも私には・・・)

まして、その状況でインフレをコントロールするなんてメチャクチャ困難だという事です。



賢く生き抜くために

我々が賢く生き抜くためには、政府のインフレ誘導を的確に捉え、来るべきハイパーインフレに備える必要があるでしょう。

まあ〜借金持ちの人には借金を返し易い時代になるって事も確かなんですけどね。

保有している土地の評価額が借金の総額を下回って債務超過になってる中小企業は、もう少しの辛抱で土地の評価額が上がり資産額が借金の総額を上回るので債務超過から開放されるでしょう。思い切って「土地を売り借金を返す。」という選択も可能ですが、いずれハイパーインフレになる可能性が高いんだから、一万円札が紙切れ同然に下落するまで待つのも悪くないでしょう。

数千万の借金で苦しんでいる中小企業の経営者の方たちは、早まった事を考えないで、政府主導によるハイパーインフレに期待しましょう。

5年後・10年後には、貨幣価値が下がり、サラリーマンは月に数百万のサラリーを貰う時代になってるかも知れません。年商1億の中小企業が年商2〜3億円の企業になってる可能性も高いです。
それでも生活の質自体は向上してないんですけどね。

インフレ率が100%を超えれば、貨幣価値は半分になります。100円だった品物が200円になるんですから、企業の年商も当然倍になりますよね。

まあそうなった場合は、インフレ率が100%程度で収まるとは考えられません。コントロールが効かなくなったインフレは、100%程度で収まるものじゃない。下手をすれば1000%を超えるハイパーインフレだって考えなきゃイカン状況になるでしょう。そうなれば数千万の借金なんてサラリーマンのサラリーで返済出来る額になりますよ。まあ金利も上昇するから、数千万の借金が今の数万円感覚で返済出来る訳じゃないですけど、新車一台分の感覚で返済出来るようになるかも知れませんよ。

そんな混乱の時代に突入しかねないのが、無能な人間による安易なインフレ誘導だといえます。