無知で無能なマスコミが日本を混乱に陥れる

被災地では避難所に避難している子どもが餓死したとか、灯油などの燃料が枯渇して極寒のなかで避難所生活を送っているなどの極めて深刻な状況になっている。

これらの情報はメディアによって報道されている内容が殆どなので、現実には更に悲惨な現場も多数存在すると思って間違いない。

ブラウン管の中で正義面して報道している連中は、比較的安全な場所から報道しているのだ。

現実には、本当に危険な場所にはテレビクルーは入れない。

安全が約束された場所からの報道しか許されていないからだ。

また、悲惨な現場を偶然撮影出来たとしても、報道倫理や報道規制によって映像を流す事が出来ない。

「真実を報道しないで何のためのメディアなんだよ!脳みそ腐ってるのか?」と思うのだが、彼らなりの倫理観によって定められたルールを守っているだけなので、批判しても彼らの耳には届かないし、届いたとしても「決められたルールに従っているだけだ。文句を言うなら上(上級職)に言ってくれ」という感じだろう。

(海外は知らんが)日本のメディアは、今も昔もその程度のジャーナリズムしか持ち合わせていない。



とにかく、日本のテレビで映し出される映像は、安全が約束された場所からの撮影であって、現場の真実を伝えるものではない。

よって、我々が知っている現状よりも更に悲惨な現場が多数存在すると考えるべきだ。

今回の地震津波被害はとてつもなく広い範囲に広がっているので、まだまだ悲惨な現場があると自覚するべきだと思います。



物資を買い溜めする群集

首都圏では、食料や物資を買い溜めしている人たちがいて、品薄状態が続いている。

「東北の人たちが苦しんでいるのに、被害の少ない東京で、買い溜めなどけしからん」と義憤に駆られる人も多いように見受けられます。

しかし、これだけテレビや新聞で不安感を煽られれば、少しでも自宅にストックしておきたいと考えるのは人情ではないだろうか。私のように一人暮らしの極楽トンボならば「1日2日食わなくても死ぬ事はないよ」って我慢する事も出来るが、食べ盛りの子どもがいる家庭のお母さんならば「せめて我が子にだけはヒモジイ思いはさせたくない」と考えるのが普通だと思う。

正義感に駆られて行動するのであれば、買占めをする主婦を非難するより、不安感を煽るメディアに対して憤るべきである。

買占めが正しいとは言えないが、買占めを誘発するようなメディアの報道こそが批判されるべきだと思う。



メディアの無知と無能が混乱を招く

はっきり言わせて貰うと、メディアの無知にはトコトン呆れさせられる。

例えば、福島原発事故の報道でも、事故現場付近で「40万μSv/hという非常に高い濃度の放射線を測定した。」と大げさに報道していた。

シーベルト(Sv)は、人体に深刻な影響が出る被曝量を基準に設定されているから、人体に深刻な影響が出始めるのは1Sv/h(1シーベルト毎時)からである。ただし、被曝し易い胎児や乳幼児の場合はもっと低い被曝量で影響が出る。

視聴者が知れたいのは、自分や家族が危険かどうか?という事なので、判りやすくシーベルトという単位に換算して報道するべきだと思うし、その事は以前も指摘した。

http://d.hatena.ne.jp/kunitaka/20110315/1300168977

マイクロ(μ)は基礎となる単位の百万分の一、ミリ(m)は基礎となる単位の千分の一である。今回測定された値は40万μSv/hが最大だったが、Svに換算すると0.4Sv/hである。

一般的な大人であれば、リンパ球の一時的減少が始まるかどうかという被曝量で、深刻な健康被害に繋がる値ではないが、乳幼児だと深刻な健康被害に繋がりかねないという値だが・・・

放射線は時間とともに拡散するので、原発敷地内から遠く離れれば離れるほど濃度は下がる。

詳しく説明しだすと延々と説明が必要になるので、ある程度省略しながら説明する事になるのだが、各テレビ局はそういう説明を怠り、ただただ非常に高い濃度の放射線を測定したと報道した。

おそらく、報道番組の原稿書きは放射線や被曝についての知識は全くなかったのだろう。

勿論、原稿を読み上げるキャスターも放射線や被曝についての知識は皆無だったと思われる。

しかし報道する場合は、少しくらい自分で調べてから報道するべきではないだろうか。

それくらいの資料は用意しているだろうし、Googleさんで検索すれば、どの程度の被曝量で深刻な健康被害が懸念されるか程度の事は調べられる。

ネットで検索する場合は、情報ソースが信用に値するかどうかという事も検証する必要があるが、現在のようなネット社会なら、情報の真偽を見定めるスキルは身についていると思う。

放射線や被曝について無知なのは責められない。私だって知らない事の方が多い。

しかし、調べる事は出来ると思うんですよね。

知らないだけなら無知だけだが、調べる努力もしないのだから無能という評価もついてくる。

無知で無能なメディアやキャスターが知ったかぶりして無責任に情報を垂れ流しているのだ。

無知で無能な連中が無責任な情報を垂れ流した結果が、首都圏の買占め騒動を誘発し、庶民を混乱に陥れているのである。

しかも、無知で無能に付け加えてスポンサー様への利益誘導という要素も含まれているから、テレビやラジオの情報は更に性質が悪い。

派遣切りが話題になったり、派遣切りが犯罪行為に直結した時、大スポンサー様の自動車会社の社名は伏せられたままだった。

今回は、テレビコマーシャルを必要としない東京電力の事故だったから、社名は隠される事もなく報道されたし、東電の不手際を徹底的に追及している。

各電力会社がテレビコマーシャルが必要ない現状は独占禁止法に抵触する可能性もあるのだが・・・その件はいずれ指摘すると思うが、今回の指摘とは関係性が薄いので触れない。


首都圏を中心とした混乱の原因は、マスメディアの無知・無能・スポンサー主義に起因する人害だと指摘したい。

無責任に危険性を煽る前に、本当に人体に深刻な影響があるのかどうか、自分なりで良いから調べてから報道して欲しいものだ。

それから、自分たち(報道陣)が取材できるのは安全が確保された地域だけで、本当に危険な場所にはTVクルーは立ち入り出来ない。よって映し出される映像よりも更に厳しい現場が多数存在するという事実をシッカリ報道するべきだと思う。

それが情報を提供する事を生業としたメディアの最低限度の良心という奴ではないだろうか。