農耕が障害者を生んだ。らしい・・・

なかなか興味深いエントリーが、はてな人気エントリーで紹介されていた。

エントリーは発達障害についての内容で、私は全くと言っていいほど知識が無い分野ですが、なるほど説得力のある記事だと思いました。
農耕が障害者を生んだ-俺の邪悪なメモ
http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20100123/p1


アスペルガー症候群については、少しだけ知っていましたが、ADHD(注意欠乏多動性障害)については全く知らないと言っていいでしょう。

「勉強不足だな」と反省しました。まず、障害者の人たちの事に関心を持つべきなんですよね。

マザー・テレサの「愛の反対は、憎しみではなく、無関心です。」という言葉を思い出しました。


まず、障害者の人たちに関心を持つ事から始めようと思います。



興味を惹かれた部分

ところが、このエントリーで一番興味を惹かれた部分は、ブログ主さんの主張したい部分に一部関わるものの、ちょっとピントがずれてしまったようです。

ちょっと前に俺は古代史にうるさいと書きましたが、日本だと縄文時代までの狩猟採集社会には、「障害」は存在しなかったと思っています。このころは、血縁者だけの小さなユニットが社会のすべてで、大規模な集団作業はなく、集団同士の争いや競争もなかったので、不利益になる個性というのを想定しづらいのです。

これが、弥生時代になって農耕社会になると、人は大集団をつくり、農作や戦争を行うようになります。(よく「狩猟社会は野蛮」とかいう人がいますけど、これは間違いで、全世界共通で人が戦争や略奪をするようになったのは農耕が始まってからです。)
引用:農耕が障害者を生んだ-俺の邪悪なメモ
http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20100123/p1

狩猟採集社会に「障害」が存在したかどうかは、私には判りかねますが、農耕が始まった事により戦争が始まったのは正しい推測だと思うのです。

ただし、略奪に関しては存在したのではないでしょうか。

狩猟時代には獲物の奪い合いが頻繁に行われていたでしょうし、動物を仕留めるのが上手な人、人が仕留めた獲物を奪い取るのが上手な人などがいたと思います。

最大の肉食恐竜だったTレックスティラノサウルス)は、自分で狩りをせずに、他の肉食恐竜が仕留めた獲物を横取りして食べていたらしいですし、狩猟時代の人類の中には、他人が仕留めた獲物を略奪する専門家も存在したと考えるのが正しいと思います。



農耕が始まってから戦争は始まった

戦争というのは富や財産の奪い合いです。

狩猟時代の紛争などは、獲った獲物の奪い合い程度で、所詮は個人間または小規模集団間の戦いに過ぎなかったはずです。

獲った獲物の奪い合いなど、獲物を食べてしまえば戦いの必要がなくなってしまいます。戦いに勝っても得るものがないし、負けても奪われるものがありません。獲物はすでに誰かのお腹の中です。

とても戦争のような行為になるとは思えないんですよね。


ところが、農耕を始めると事情が変わったと思います。農地という財産を得たら、継続的に食料の生産が出来る。狩猟時代のように、食べちゃえば争いの種が無くなるような問題じゃなくなったはずです。

誰かが農耕を始めたら、その農地を集団で略奪するものも現れたでしょう。

そのような略奪行為が頻繁に行われるようになれば、農耕を始めた人たちは、自分達の農地を守る為、集団を作り、大きくして略奪者達に対応するようになったでしょう。

狩猟時代には個人間の略奪行為だったものが、農耕が始まった事により集団的な戦闘行為(戦争)に発展したと考えるのが自然な流れだと思います。

戦争というものは、奪いたい財産や富があって、始めて成り立つものなんですよね。

現在でも、守るべき土地や財産が無い小国のなかには非武装国家も存在します。そして、奪いたいものが無い国を大国が攻める事もありません。だから大国間に挟まれた小国には軍隊など必要なく、現在でも非武装国家として生き延びていますよね。


奪われるような財産が無ければ、戦争をする必要もないんですね。



農耕と戦争

農耕が障害者を生んだというブログ主さんの主張が正しいかどうか、私には理解しかねますが、農耕が始まった事により戦争が始まったという説は正しいと思いました。

宗教が戦争の原因だという説もありますが、それはキリスト教布教という大義名分の下、キリスト教国が中南米などの文明を滅ぼしたからですが、大義名分は立派なんですが、インカ帝国などの金銀財宝を奪い取ったという事も事実です。中南米の文明に金銀財宝が無かったならば、キリスト教国による侵略も無かったかも知れません。

得るものが無ければ、戦争など起きないんですよね。

農耕が戦争を生んだといってもいいんじゃないかと思います。

ブログ主さんの主張とは、若干ピントがずれていますが、興味深いエントリーだったので、感想を書いてみました。