前原発言に対する迷走劇
前原国交相が「羽田空港をハブ化する」と発言した事に端を発した、森田健作千葉県知事の大激怒劇と成田空港不要論ですが、森田知事と前原国交相の会談で「羽田は国内線・成田は国際線という住み分けを変更する訳じゃ無い」という事を確認して、森田知事は納得したようです。
記者会見でも笑顔でした。
発言の趣旨
前原大臣の発言には、一言も成田の国際線を羽田に移すと言う趣旨の言葉は含まれていなかった。
なのになぜ、森田千葉県知事は過剰に反応したのか。
私には、森田知事が滑稽にすら思えた。
私は、前原大臣の発言は「成田だけでは捌ききれない国際線の発着便を、羽田空港がフォローしますよ。」というニュアンスで捉えていた。
前原大臣の発言は、国際ハブ空港を目指すというモノ
しかし良く考えてみたら、前原大臣の「羽田空港をハブ化する」という発言は、明らかに国際ハブ空港の事を指すのである。
羽田空港は、すでに国内線のハブ空港なのだから、新たに「ハブ化する」と言えば、国際ハブ空港を指す発言である。
羽田空港の正式名称は「東京国際空港」であり、日本航空、全日空、スカイマークのハブ空港です。
今からハブ化を目指すと言う事であれば、国際線を充実させた国際ハブ空港という事になる。
成田より羽田の方が利便性が高い
そうなると羽田と成田は競合する事になり、最終的には利便性に勝る羽田が有利になるんじゃないだろうか。
私は、人は羽田を利用し、貨物は成田を利用すれば良いのでは無いかと思う。
ハブ空港は必要か?
それに、国内にハブ空港が必要だと主張する人もいるが、私は日本に大規模な国際ハブ空港は必要ないと考えている。
韓国の仁川には、日本国内の空港に路線を多数持っている仁川空港がある。
後発して仁川空港より有利な面があるだろうか。
空港の設備や人件費、ランニングコストの面から、日本の空港だと高額な空港利用料が必要になる。
国際競争力
韓国なら、日本よりは安価な空港利用料で済む。
国際競争力を考えると、羽田にしろ成田にしろ、仁川空港に勝ち目は無いように思う。
また、羽田を大規模な国際ハブ空港にするメリットは何だろう。
私には、全く理解出来ない。
羽田空港を国際ハブ空港にする事で、ユーザーの利便性が向上するとは思えないし、安全面でも問題が大きい。
国際テロの脅威
国内に国際ハブ空港を持つと言う事は、国際テロの標的になる可能性が増大する。
テロリストたちは、数人単位の小さな人数で、別々のルートを使って目的地に向かう。
テロリストが数十人の団体で、一つの飛行機に乗ってやってくるなんて考えている、オメデタイ人はいないと思う。
国際路線が一箇所に集まると言う事は、それだけテロリストには好都合なのだ。
まして、都心部に近いということであれば、テロリストの格好の標的になる。
2〜3人ずつ、別々の便で成田にくれば、当然到着時間に差が生じるし、都心から離れた成田に到着すれば、東京までの移動も2〜3人のチームで移動する事になる。
もしも羽田が国際ハブ空港だったら、2〜3人ずつ各国の国際空港から一気に羽田を目指せる。到着時間も最小限度の時間差に抑えられるし、羽田で集結したらその瞬間にミッションスタートである。
テロリストにとって、どちらが好都合か、考えなくても判るだろう。
メリットが少なく、リスクの高い国際ハブ空港化など、目指す必要は無いと思う。