道自然保護協会の副会長の意見が、独善的で気持ち悪い

前原国交相が、9日に表明した工事の新段階への移行凍結ですが、31のダムは建設が凍結されるそうです。

なお、本体工事に入っている17のダムは完成させるらしい。



八ツ場に限らず、他人の痛みを考えよう

無駄な物は作る必要が無いので、個人的には前原大臣の判断を評価するが、やはり地元からは反発や困惑の声が上がっている。



八ツ場ダムばかりがクローズアップされていたが、他のダムの関係者も我が身に降りかかってきた事になる。

我が身に降りかかってきたら、他人事ではないので必死に反発するんだろうな。



これまで、長野原町の地元住民に対して「ごね得狙い」とか「意固地になっている」など、心無い批判を繰り返していた人の中にも、我が身に降りかかってきて始めて人の痛みがわたった人もいるだろう。



他人の痛みに無頓着な国民性は改善しなければイカンと思います。



建設中止後の再生プランを考えよう

ただし、無駄な物は造るべきじゃないので、ダム建設は中止して、被害者(立ち退きに応じた地元住民)に対して、どんなケアをして、どんな再生案を提示するかを考えるべきです。



以前、私は八ツ場ダム建設中止に対する長野原町の再生プランを考えたが、今回のように大量に建設中止が決まったのなら、私が提案した「悲劇の住民と悲劇の温泉の歴史を語る町」構想では追いつかない。

http://d.hatena.ne.jp/kunitaka/20090926/1253984404



微力ながら今後も再生案を考えてみようと思いますが、さすがに31箇所も考えられないなあ〜。



ダム建設に反対する団体が気持ち悪い

私は無駄なダム工事には反対だが「ダム=無駄遣い」「ダム=悪」というように、固定観念に囚われて、思考停止した連中や団体には、一種の気持ち悪さを覚える。

一方、道自然保護協会の佐々木克之副会長は「凍結を歓迎する」とコメントした上で、「『直轄事業は凍結、(道が事業主体の)補助ダムは知事判断を尊重する』という国交相の線引きには納得できない。今後もダムの問題点を明らかにしていきたい」と述べ、補助ダムも凍結や見直し対象にするよう求めた。
引用:毎日新聞 国直轄ダム:6カ所今年度凍結 国交相表明
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091010k0000m010129000c.html?inb=yt

道自然保護協会の副会長だかなんだか知らないが、ダム建設中止で困惑している人や立ち退きを終えた人たちの心情を理解出来ないのだろうか。

また、道が事業主体の補助ダムに関しては、前原国交相が口出し出来る範囲は限られている。

それなのに「国交相の線引きには納得出来ない」とはどういう事だ。



国が主体の工事なら、前原国交相に権限があるが、道主体の事業なら権限は北海道にあり、意見を言うなら高橋はるみ知事に意見するのが筋である。



ダム建設に反対する団体の幹部連中は「ダム=自然破壊」とか「ダム=悪」という一方的な物の見方で反対し、住民感情には配慮出来ないバランス感覚の欠如した人物が多いような印象を受ける。



国交相が口を出すべきではない道主体の事業に対し、前原大臣が口を出さないのは当たり前の話なのに、「国交相の線引きには納得出来ない」とクレームをつけるところを見ると、国と自治体の違いすら理解出来ないような人物が、自分達の偏向した正義感を押し付けているだけのように感じるのだ。



長野原町に抗議した連中は

長野原町の役場に、迷惑電話やメールを送った連中は、八ツ場ダムは1都5県が関与する事業であり、1都5県の首長が発言権を持っている事や、1都5県の首長が全員八ツ場ダム建設中止に反対している事実を知っていただろうか。

自分達の無知をさらけ出して、長野原町に抗議しているだけじゃないかと思うのだ。



正義感を持つのは大切な事だが「自分達の考えが偏向傾向にあるんじゃないか」と一度くらいは自問してから抗議するべきであり、一度は住民の立場に立って考えるくらいの思慮深さは必要じゃないかと思うのだ。



必要なダムもあるし、少なからずダムの恩恵を受けている

世の中には必要なダムもあるし、そのダムの恩恵を知らず知らずのうちに受けているものなのだ。

発電設備として活躍しているダムがある事くらい知っていると思うし、電気無しの生活をしている日本人など一人もいないだろ。



たしかに、原子力発電によって国内の電力供給は安定しているので、現在はダムの利点が少なくなっている。

これ以上必要ないと思うし、治水効果だって期待出来ないだろう。

ましてや観光資源の一翼を担う事が出来るとも思わない。



だから、無駄なダムは造るべきじゃないし、仮に完成させるより多額の費用が掛かったとしても、中止すべきダム建設は中止するべきだ。

もちろん、建設現場の保全は最低条件だが・・・

しかし、感情的になって、思考停止してはイカンと思う。



論点は、あくまでも必要か不要かと言うことであって、決して「ダム建設は全てが無駄遣いの悪である」という前提で議論するべきではないと思うのだ。